株式会社池戸熔接製作所様【Tech Note MAKERS COLLECTION Vol.2 】

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製造業女子がユニークかつ先端的な取り組みを行っている製造業の様々な現場に直撃インタビューするコーナー「Tech Note MAKERS COLLECTION」 女子ならではの切り口と、笑顔、時には体当たりのパワーで、製造業の魅力をたっぷりご紹介します。

第2回は各種熔接、各種板金加工などの機械設備製造を主力事業とされている株式会社池戸熔接製作所様にお伺いしました。お話を伺ったのは、株式会社池戸熔接製作所 代表取締役社長の池戸孝治氏。インタビュー前に福田りえが大興奮の様子。その訳は…?

福田りえ

インタビュアー 福田りえ

静岡県出身。製造業(自動車下請け会社)に4年半勤務経験あり。 特技は走ること、おやじギャグ。
過去の経験を活かしながら、製造業の皆様の様々な取り組みを”実践形式”で、楽しくわかりやすくお届けします。
ご覧になる皆さんの息抜きや、アイデアのヒントになるような記事にしていきたいと思ってます!

噂の搭乗型歩行ロボットで、福田りえが大旋回!

福田りえ(以下りえ)「わっ、こんなところに真っ赤なロボットが!人が乗って動かすんですか?インタビュー前ですが、ぜひ乗せてください!!!」

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りえ「のっちゃいます!」

福田りえが思わず飛びついたのは、今Youtubeの動画でも話題、各地のイベントでも大活躍している池戸熔接製作所製、搭乗型歩行ロボットR-510。

池戸社長(以下社長)「操縦の仕方はとっても簡単なんですよ。レバーが2本あるだけです。」

りえ「ほんとですね!」

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りえ「ふむふむ、操作方法はシンプルですね。」

りえ「操縦の仕方はだいたい分かりました。では、いってまいります!」

社長「GO!」

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りえ「いってまいります!」

りえ「うわー、意外とスピード出るんですね!」

社長「上手上手!」

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りえ「気持ちいいでーす」

りえ「少しずつ慣れてきました!」

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りえ「ロボットと同期しました!」
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R-510の後ろ姿
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R-510の操作レバーは左右に同じものがあります

 

「子供たちにものづくりの楽しさを伝えたい」気持ちから誕生したロボット

りえ「すいません、勝手に乗ってしまって。でも、操作もとても簡単で、気持ち良かったです!」

社長「いえいえ大丈夫ですよ」

りえ「でも、そもそもなぜロボットを作られたのですか?」

社長「13年前から、展示会でPRするために変わった商品を作ろうと決めて、毎年何か1つ作ってきました。
あるとき知り合いの社長が、『工場の20周年イベントで社員や家族を大勢集めるので、子供たちにモノづくりのメッセージを伝えたい』と熱い思いを語ってくれたのです。
その思いに共感して、ロボットの形をした乗り物を作ろうかと話が進みました」

りえ「私が乗ったロボットは、子供たちへモノづくりの想いをつなぐメッセンジャーでもあるんですね!」

社長「りえさん、実はロボットに直接メッセージも入れているんですよ。
We want to convey the joy of making things to children,
And,I hope that it wants to lead the world in technology make things japanese.
(子供もたちに日本のモノづくりの楽しさを知らせていこう。日本のモノ作りで世界をリードしていってほしい)」

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こどもたちへ向けたメッセージ

りえ「ちょっと感動しました。各地のイベントでも大活躍だそうですね。子供もも乗れるんですか?」

社長「3月に開催された瀬戸蔵ロボット博2015でも大人気でした。子供でも操作できるように、簡単な操作で動くこと、そしてロボットが転倒しないように重量配分も気をつけて設計しましたよ。
名古屋で開催された次世代自動車展で、トヨタの横に展示していたら、あちらは大人しか乗れないのに、こちらは子供もでも乗れるということで、トヨタの方に驚かれたこともあります」

製作期間はたったの35日!鉄板を熔接して組み立てた、熔接屋ならではの製作手法。

りえ「でも、御社は熔接の会社ですよね?なぜロボットを作れちゃうんですか?」

社長「このロボットには、しっかり弊社の技術が使われています。もともとコンテナを移動するような大型機械の動力部分を作ったり、大きい物を動かす技術は持っていました。いろいろと事情があって、製作期間は設計も入れて35日間しかありませんでしたが、なんとか作りました。」

りえ「たった35日間で!?あんなに大きな、しかも動くロボットが作れるなんて信じられないです。どうやったら35日間で作れるのですか?」

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りえ「たった35日間で作ったんですか?!」

社長「また、このロボットに骨組みは無く、鉄板を溶接して組み立てただけなんです。こうやって弊社が得意とする技術だけを使えば、35日間でも作れるという結論でした。ロボットの下半身は分厚い鉄板、上半身は軽い鉄板を使って安定するような構造にもなってます。
バッテリーは小さいものを積んでいるだけ。両足に入っている発電機から電気をおこし、モーターに使っています。プログラムは入っておらず、完全に機械なので、トラブルもありません。外から遠隔操作もできますよ」

ロボットを作っている会社だと間違われるほど、広告効果は絶大、そのためには既存技術を駆使してアクションを。

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ロボットの広告効果は絶大だったようです

りえ「これだけ人気があるロボットなら、かなり反響も大きかったのでは?」
 
社長「ロボットの会社だと間違われるほど、広告効果としては絶大なものがありました。最近では、ロボット製作の注文が入るようになってきて、事業になりつつある手応えを感じています。今年の夏には、うちで作った乗り物がお台場を走ることになりそうです。」
 
りえ「立派な新規事業ですね!いろんな会社さんが新しい事業を始めようと悪戦苦闘されていると思うのですが、御社はなぜうまくいったのでしょう?」

社長「中小企業は、待っているだけではなく、こちらからアクションを仕掛けないとダメですよ。開発のための十分な時間がなくても、既存の技術や製品の組み合わせで十分新しいものが作れます。」
  
りえ「かなり積極的に新しい分野の商品を作っておられるんですね」

社長「ただ闇雲にアクションを仕掛けるのではなく、しっかりターゲットを定めて、今までやってきたことで何ができるか考えることが大事だと思っています。成長分野の教育、医療、環境の市場は意識しています。教育では幼稚園用の頑丈な三輪車を作っていますし、医療では、垂直に折れ曲がるリハビリテーション用医療ベッドを作っています。環境では、産業用の集塵機を作っています。」

りえ「なるほど。」

社長「とはいえ、ロボットは自分が好きだから作っちゃってるところがありますけど(笑)。」

りえ「そうなんですね(笑)。確かにロボットって、無条件で人を惹きつける魅力がありますよね。また是非、次のロボットも見せてください!今日は、ロボットにも乗ることができ、とても楽しかったです。ありがとうございました!」

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最後にパチリ

会社プロフィール
株式会社池戸熔接製作所(静岡県浜松市)

搬送機器、環境機器、各種熔接、各種板金加工などの機械設備製造を主力事業に展開する他、電動バイク事業やオーダーメイドの搭乗型歩行ロボットも手がけています。

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りえ‘S コメント

ロボットに乗って動かすという貴重な体験をさせていただきましたが、操作も簡単で、楽しかったです。子供達にモノ作りの楽しさを伝えるメッセージもさりげなく入っていて、感動しました。熔接の技術を駆使して35日間で仕上げたというエピソードや、既存の技術や製品を組み合わせてアクションを起こすというお話は、中小製造業の底力を教えていただいた気がします。次に制作予定のロボットも、ぜひ乗せていただきたいですね。