シリコンバレー在住のアプリックス石黒氏に聞く!モノがインターネットにつながると、どうなる?【Tech Note MAKERS COLLECTION Vol.6】

シリコンバレー在住のアプリックス石黒氏に聞く!モノがインターネットにつながると、どうなる?【Tech Note MAKERS COLLECTION Vol.6】

製造業大好き女子が、ユニークかつ先端的な取り組みを行っているモノづくりの現場に直撃インタビューするコーナー「Tech Note MAKERS COLLECTION」女子ならではの切り口と、笑顔、時には体当たりのパワーで、モノづくりの魅力をたっぷりご紹介します。

第6回は、各種ビーコンをはじめとするIoT(Internet of Things)関連のハードウェアやサービスを開発・提供する株式会社アプリックス CTO (最高技術責任者)の石黒邦宏氏にお話を伺いました。

Tech Note初レポートとなる土谷梓は、IoTという言葉を聞くのも初めて。シリコンバレー在住の石黒氏に、IoTとは何か?から、その可能性、そしてシリコンバレーでの最新トピックを伺いました! 

インタビュアー 土谷 梓(つちや あずさ)

東京都出身。2013年度ミス成蹊大学の大学4年生。株式会社スターバンク所属、コマーシャルモデルのお仕事などをしています。趣味は歌とダンスで、「彼氏にするなら、誠実そうな製造業の人がいい」という製造業大好きっ子です。

IoTってなに?モノがインターネットにつながる?

IoTってなんですか?「IoTって何ですか?」

土谷梓(以下あずさ):アプリックスさんはIoT関係の製品を作っていると伺ったのですが、正直なところよく分かっていません。まずは、IoTとは何なのでしょうか?

石黒邦宏氏(以下石黒): IoTは、Internet of Thingsの略で、直訳すると「モノのインターネット」という意味です。家電製品をはじめ、さまざまなものをインターネットにつなげるためのデバイスを弊社は開発しています。

あずさ: 具体的には、どのようなものがありますか?

石黒: とてもシンプルなものからご紹介すると、この小さな青いデバイスは、気温、湿度、気圧のセンサに、インターネットにつなげるためのBLE(Bluetooth Low Energy)通信のチップを搭載したものです。これが日本中にあれば、各地域の実際の気温や湿度の情報を集めて、リアルタイムに天気情報を見ることができます。

この製品は、天気情報サービスを展開しているウェザーニューズのレポーターの皆さんに実際に配られており、スマートフォンの専用アプリ(以下スマホアプリ)経由でデータが収集されています。

あずさ: こんな小さな機材で、天気情報が収集できるのですね!

気温・湿度・気圧を24時間観測する気象センサ(センサ 対応ビーコン)
気温・湿度・気圧を24時間観測する気象センサ(センサ対応ビーコン)

石黒: はい。他には、家庭用の浄水器や、アロマディフューザー、どちらもフィルタ交換やアロマオイルが無くなった時に、スマホアプリで通知してくれる製品です。さらに、スマホアプリからフィルタやアロマオイルを購入することもできます。また、ボタンを押すだけで消耗品を注文できる、シンプルなボタンだけのデバイス「お届けビーコン」などもあります。

ボタンを押すだけで注文できてしまう、「お届けビーコン」
ボタンを押すだけで注文できてしまう、「お届けビーコン」

あずさ: とても便利ですね!アロマディフューザーは、私もよく使っていて、こんな便利なアプリがあれば欲しいです。IoTって、モノが通信することでより便利になっていくのですね。なんとなく分かってきました。

他社製品を先行改造して、そのメーカーに売り込む!

あずさ: メーカーからの依頼で、これらIoT製品の開発をすることが多いのですか?

石黒: そういう依頼もありますが、先行改造して売り込むこともあります。

あずさ: えっ?どういうことですか?

石黒: 例えば、あるメーカーの室内用LEDライトは、充電式で持ち運べて、災害時や停電時などにとても便利です。ただ、夜中に停電になったら、そもそもライトがどこにあるか分からないですよね。なので、地震速報と連携させて、地震が起きたら、ライトが自動的につくように試験的に先行改造しました。そして、そのメーカーに売り込みに行ってきました。

あずさ: 先行改造して、さらに売り込みに行ったのですか!?

石黒: はい。反応は上々でしたよ。私はソフトウェアのエンジニアなので、改造やハックすることが好きですね。

あずさ: おもしろいです。仕事を待つのではなく、自分から売り込むのも楽しそうですね。

これからは、埋め込み系?ヘルスケアとIoTの話

あずさ:今、注目している産業や製品はありますか?

石黒:やはり、ヘルスケア業界に注目しています。すでに、活動量計をはじめとした、さまざまなウェアラブルデバイスが世の中に出ています。そして、今後数年のうちに、直接人体にBLEチップとセンサを埋め込むようになるのではないかと思っています。BLEチップを製品に組み込むのではなく、人体に埋め込む、「埋め込み系」ですね(笑)

あずさ:ええー、そんなことが可能になるのですか?というか、痛そうだし怖いです。

「埋め込み系」を恐れるあずさ
「埋め込み系」を恐れるあずさ

石黒:そこで得られる効果次第だと思います。年に1度の人間ドックでは発見できない病気もありますし、例えば、血圧だけでもリアルタイムに計測して、異常を知らせてくれれば、持病の進行具合を知ったり、日常生活に気を付けるきっかけを作ったりすることができます。10年も寿命が延びるとしたら、チップを体に埋め込むことくらい、やると思いませんか?

あずさ:確かに…。やるかもしれません。でも、やっぱり怖いです…。

シリコンバレーで今一番ホットな話題、AI(人工知能)

あずさ:石黒さんはシリコンバレーにお住まいですね。シリコンバレーでも、IoTはホットな話題なのですか?

石黒:もちろんIoTはホットトピックで、米国企業からの引き合いや協業のお誘いも多いです。同時に、IoTにも関連するAI(Artificial Intelligence)、人工知能がよく話題に上がります

あずさ:人工知能も、最近よく耳にします。実際何ができるのですか?

石黒:最近、最も進歩したのが、画像認識です。AIに写真を見せて、それが何かを判別する能力が急激に向上しました。ほぼ人間と同じの判断能力があるといっていいと思います。

Facebookで写真を投稿すると、写真に写っている人が誰かを勝手に判別してくれます。それもAIのおかげです。それから、写真に写ったものの質感が「ザラザラ」か「ツルツル」かを判断する「ザラザラツルツルコンテスト」があり、人間より能力が上という結果も出ています。

あずさ:ザラザラツルツルコンテスト!そんなコンテストがあるのですね。でも、どうしてそんなに能力が向上したのですか?

ザラザラツルツルコンテスト
ザラザラツルツルコンテスト!

石黒:インターネットの発達が大きな要因の一つです。インターネット上にはたくさんの写真とそれに紐付いたテキストデータがあります。AIには、学習するための大量の素材が必要です。インターネット上に存在する数多くの学習素材が、AIの能力を向上させたといっていいと思います。

IoTとAIが開く未来

あずさ:先ほど、IoTとAIは関係あるとおっしゃっていました。どのような関係があるのですか?

石黒:ひとつは、IoTの発展によって膨大なデータがインターネット上に集まるので、AIの学習素材が増えるということです。画像と同じように、たくさんのデータが集まることで、IoT分野のAIの学習能力が一気に向上する可能性があります。

あずさ:なるほど。それだけたくさんの情報がインターネット上に集まるということですね。

石黒:もうひとつは、データ分析です。たくさんの情報を持つ企業の場合、人間がデータを分析して、意味を見出すという仕事をするには限界があります。

「ビッグデータ」という言葉がもてはやされた数年前から、データサイエンティストという人々が注目され、活躍しています。今後は、AIを使ってさらに効率良くデータを分析するというニーズが出てくるでしょう。

あずさ:なんだかすごくワクワクしますね!IoTとAIの組み合わせで、何ができるのか、今から楽しみです!今日はありがとうございました!

あずさ’s コメント

IoTで何ができるのかが分かったと同時に、さまざまな技術があることに驚きました。また、身近な存在のスマートフォンを利用して、こんなにも出来ることが広がるのかという感じです。石黒さんはとても話しやすい方で楽しいインタビューでした。

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企業プロフィール
株式会社アプリックス(東京都)

今、IoTという言葉の下、あらゆるモノがつながる世界が始まろうとしています。アプリックスでは、いち早く「あらゆるモノをつなげられる技術」を開発・提供することで、未来世界を自分たちの手で形作ろうとしています。

アプリックスでは、人々の生活をより便利に豊かにすることを使命として、「通信モジュール(ビーコン)」から「アプリ」、「クラウド」まで、IoTに必要なすべてのものを開発・提供しています。

(展示会出展の紹介)
■CEATEC JAPAN 2015:10/7(水)~10/10(土)
アプリックスが開発・提供している「お知らせビーコン」を家電に組み込み、生活に役立つグルメ、美容、旅行などの様々な情報コンテンツをスマートフォンに通知する採用事例などを初披露します。また、利用者が欲しいと思った瞬間に、ボタンを押すだけで商品を購入できる「お届けビーコン」の活用事例を動体デモを用いて展示します。
■IT Japan Week 2015:10/28(水)~10/30(金)
「IoTで健康寿命が10年延びる!?」をテーマに、様々な活用事例などを展示します。また、家電製品に組み込むことで、人々の生活をより便利に豊かにする「お知らせビーコン」の採用事例の数々を初披露する予定です。

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