クリスマスに欲しかった?「PlayStation VR」~iFixit分解レポート~

「VR元年」といわれるこの2016年、すでに米Oculus Rift CV1と台湾HTC Viveの2製品が登場し、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は盛り上がりを見せています。そして、2016年10月13日、ついにPlayStation VR(以下、PSVR)が発売となりました。人気に製品供給が追いついておらず、現在でも入手が困難な状況です。(追記:2016年12月17日に追加発売予定!)

他社2製品の構造は、ユーザーが映像をのぞく「スコープ部分」を顔に密着させ、水泳ゴーグルのようにヘッドバンドで固定する方式です。一方、PSVRは頭部にヘッドバンドを固定し、スコープ部分をつり下げる構造を採用しました。これにより、メガネを掛けたユーザーでも顔に圧迫を感じない製品になっています。

また、VRシステムとしてのアイコニックな造形、そしてシンプルさと機能の両立性が評価され、PSVRは2016年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」、さらに「グッドデザイン特別賞[未来づくり]」を受賞しています。

PlayStation VR(左からPS Camera、ヘッドセット、プロセッサーユニット)

PlayStation VR(左からPS Camera、ヘッドセット、プロセッサーユニット)

PC向けである他社2製品とPSVR最大の違いは、プロセッサーユニットの存在でしょう。プロセッサーユニットは、ヘッドセットとPS4、そしてTVをつなぐ回路が搭載されています。PSVRをはじめ、HMDは立体映像を提示するため「サイドバイサイド方式」を利用します。これは、視差のある2つの映像を用意し、それぞれを両眼へ提示する手法です。プロセッサーユニットは、PS4が出力するTV向けの映像を補正し、視差のある両眼用映像を生成します。

PSVRのヘッドトラッキングはOculus Rift CV1とよく似た手法を用いています。ヘッドセットに複数のLED光源を設け、定点設置するPS Cameraでそれを受光することで頭部の位置を検出。また、ヘッドセットには加速度センサとジャイロセンサが内蔵され、頭部の詳細な動きが記録されます。

ソニーが送り出すHMDの本命、PSVR。中身は一体どうなっているのでしょうか? 米国の修理情報サイトiFixitからご紹介します。

<PlayStation VRの主な仕様>

  • 価格:44,980円
  • 画面解像度:1,980×1,080(片目あたり960×1,080)
  • パネル方式:有機EL(OLED)
  • リフレッシュレート:90Hz、 120Hz
  • 視野角:100°
  • センサ:3軸ジャイロ、3軸加速度
  • ヘッドトラッキング:LED光源
  • 外形寸法:187 × 185 × 277 mm
  • 質量:610g
  • 接続:HDMI、AUX、ステレオヘッドホン
  • 利用環境:PS4

ヘッドセットを開封すると、一枚の有機ELディスプレイが現れる

ヘッドセットを開封すると、一枚の有機ELディスプレイが現れる

PSVRのヘッドセットを開封すると、組み込まれていたのは1枚の有機ELディスプレイでした。Oculus Rift CV1やHTC Viveが2枚のディスプレイを利用しているのとは対照的です。他社が2枚のディスプレイを使う理由は、瞳孔間距離の調節を機構的に行うためで、ヘッドセットの下部を見ると、調節用のツマミがあります。しかし、PSVRはスタイリッシュな流線型の筐体を採用したためか、この調整機構やツマミがありません。そのため、PSVRの瞳孔間距離調節は、1枚のディスプレイに表示する画像をソフト的にずらすことで行われます。この方式では瞳孔間距離を増すほど映像の端を犠牲にすることになりますが、デザインを優先しての判断なのでしょう。

多くの部品で構成されるPlayStation VR。装着感は意外に「軽い」

多くの部品で構成されるPlayStation VR。装着感は意外に「軽い」

iFixitでは、デバイスの修理難易度を1から10の数字で格付けしています。PSVRは多くの部品が使われていましたが、熟慮の上に設計され分解は容易でした。クッションのような部品も、煩わしい固定や接着はありません。また、標準的なJIS規格のネジが使用され、一般的なドライバーで分解が可能です。ただし、レンズは接着剤で強く固定されており、取り外しの難易度は高いとのこと。また、ヘッドバンドの締め付け機構など、複雑な形状を持つ部品が多く使われており、マニュアルなしの再度組み立ては失敗するかもしれません。

よって、評価は比較的修理が容易である「8」に。さらに詳しい分解の様子を見たい方は、iFixitのサイト(英語)へどうぞ。ここでは紹介できなかったプロセッサーユニットの詳細や利用部品などを高解像度で見ることができます!

出典:PlayStation VR - iFixit
   PlayStation VR - ウェブサイト