AppleのiPhoneと並び、韓国Samsung Electronicsが発売する「Galaxy」シリーズは、世界で最も人気のあるスマートフォンのひとつです。2016年3月、その最新機種である「Galaxy S7」が韓国や米国をはじめ海外で発売となりました。
外観がiPhoneシリーズとよく似ているといわれるGalaxyシリーズ。前モデルの「Galaxy S6」と比較しても、見た目にあまり変化は無いようです。しかし、新たに「IP68等級」の防じん・防水機能を備えたことにより、粉じんの侵入を防ぎ、長時間の水没に耐えることができます。一体、中身はどうなっているのでしょうか。分解の様子を、米国の修理情報サイトiFixitからご紹介します。
<Samsung Galaxy S7の主な仕様>
- 価格:695ドル(SIMロックフリー、32GB)
- OS:Android 6.0 Marshmallow
- CPU:Qualcomm Snapdragon 820
- RAM:4GB
- ROM:32GB、64GB
- ディスプレイ:5.1型有機EL、2,560×1,440
- カメラ:1,200万画素(背面)、500万画素(前面)
- バッテリー:3,000mAh
- 寸法:142.4 x 69.6 x 7.9mm
- 質量:152g
- 防水:IP68等級
他の多くのスマートフォンと同様、Galaxy S7の外観にはネジが見当たりません。どうやら、背面の外装であるガラスカバーが接着されており、そこから内部にアクセスしなければならないようです。そこで、iFixitの技術陣は、本体を熱して接着を緩めた上で、工具を用いてカバーガラスを剥離しました。接着が強力なのは、防じんや防水の機能を果たすためなのかもしれません。苦労してカバーガラスを取り外すと、何やら黒い板状の部品モジュールが現れました。
この部品モジュール、よく見ると表面が同心円状の形をしており、どうやらここにワイヤレス給電用のコイルが含まれているようです。他にも、アンテナやスピーカーなどは同じようにモジュール化されて組み込まれていました。カバーガラスの剥離が難しかったのと比べ、中身は非常にシンプルにまとまっており、交換や修理が簡単にできる構成でした。しかし、コイルの下に位置する3,000mAhのバッテリーは残念ながら接着されており、交換が前提の設計にはなっていないようです。
さらに中身を見ると、厚さ0.5mmにも満たない薄い銅管で作られた「ヒートパイプ」が目を引きました。ヒートパイプは、熱の移動効率を高める部品で、密閉された中空容器に揮発性の液体が封入されています。この液体がパイプの中で蒸発と凝縮を繰り返し、CPUなどから発生する熱を本体全体へ拡散することができます。ヒートパイプは、前モデル「Galaxy S6」にはありませんでした。スマートフォンに搭載されるCPUの性能が向上するにつれ、発熱対策もより高度なものにならざるを得ないのかもしれません。
iFixitでは、デバイスの修理難易度を1から10の数字で格付けしています。Samsung Galaxy S7は、多くの部品がモジュール化され交換が容易であるものの、外装が接着されている点、バッテリーが接着されている点、ディスプレイを外すことなくマイクロUSB端子の交換が不可能である点などから、格付けは低評価の「3」に。さらに詳しい分解の様子を見たい方は、iFixitのサイト(英語)へどうぞ。搭載部品の詳細など、気になる情報が盛りだくさんです!
出典:Samsung Galaxy S7 Teardown- iFixit
Samsung Galaxy S7 - ウェブサイト