年代別で見るエンジニアのキャリア観~製造業エンジニア・キャリアアンケート結果~

Tech Noteでは、2015年11月に製造業エンジニアの「キャリア」に関するアンケートを実施しました。開発・設計をはじめ、製造・生産技術、品質保証などさまざまな職種合計370人の皆さんから回答をいただきました。ありがとうございました!(当選者には2015年12月に賞品を送付済みです)

インターネットには、さまざまなキャリア情報があふれています。しかし、Tech Noteの主な読者である製造業、建設業の皆さんが欲しい情報は、彼らと比べると少ないのではないでしょうか? 皆さんが職場で普段感じていることが、実は他の人も感じているかも。そんな気付きを、今回のアンケート結果は教えてくれるかもしれません。

実施した質問は以下の3つです。これらの結果を年代別にみると興味深い結果に。詳しい結果を見ていきましょう!

それでは、詳しい結果を見ていきましょう!

Q1 今後のキャリアで、興味あるものは何ですか?(複数回答可)

今後のキャリアで、興味あるものは何ですか?(複数回答可)

まず特徴的なのは、多くの回答者が「エンジニアとして専門性を磨きたい」と回答したところ。これが60代では半分程度に低下するものの、それでもエンジニアの興味第1位でした。やはり、専門性があってのエンジニアなのでしょう。一方、他の分野への興味はどの年代も20%程度に。隣の芝は青いのか、それとも自分の専門領域を広げたいとの思いなのでしょうか。

定年後への興味は年齢が増すごとに上昇するものの、それでも60代で4割程度と意外にも少ない結果に。65歳の年金支給まで、定年以降も再雇用の形で勤務を継続される方も多い中で、「悠々自適な老後」といった未来は想像しにくいのかもしれません。

管理職への興味は40代が最高で、しかも4人に1人しか希望していません。製造業エンジニアは、マネージャー志向よりスペシャリスト志向なのかもしれませんね。50代になると、管理職への期待は一気に低下して1桁台へ。同様の傾向が、転職への興味にも見られました。やはり、この年代がキャリアの大きな分かれ道のようです。

海外志向も全年代の5人に1人以下と低調でした。その中でも、特に30、40代で低い結果に。出産や子育てを迎える年代に海外はハードルが高いようです。20代の身軽な時期や、子育ての負荷が減る50代以降が海外勤務の良い機会なのかもしれません。

その他の回答では、技術資格を取得することや、技術部門以外で責任者になることを挙げる声もありました。

Q2 製造業エンジニアとしてのやりがいは何ですか?(複数回答可)

製造業エンジニアとしてのやりがいは何ですか?(複数回答可)

まず特徴的なのは、全年代でおよそ2人に1人が、世の中で自分の製品が役に立っていることを「やりがい」として回答したところです。製品がエンジニアと社会の接点であるとすれば、その製品が評価を受けることは、共通した大きなモチベーションなのでしょう。

次に注目したいのは、若手エンジニアの意識変化です。入社して数年の若手や30代は、製品ができたり動いたりすること自体に、最もやりがいがあると回答しています。やはりみなさん、理系なんでしょうね。しかし、この割合は年齢を重ねるごとに減少していきます。代わりに、自分のアイデアを生かせたり、顧客に喜んでもらえたりすることが挙げられました。製造業も商売の世界ですから、自らの仕事と社会とのつながりを意識した方面へ、興味が移り変わるのかもしれません。

「人を育てる」ことにやりがいを感じるエンジニアも、年齢を重ねるごとに増加し、65歳以上では5人に1人が「教育」をやりがいと答えています。団塊世代から次世代への技術継承が危ぶまれている昨今、問題意識を持ったベテランエンジニアも少なくないようです。

最後に注目したいのは、給料がもらえることをやりがいとする回答が、全年代でおよそ5人に1人だった点です。それも、年齢を重ねるごとに徐々に減っていきます。エンジニアの皆さんは、給料の大小と仕事へのモチベーションが、必ずしも一致するわけではないようです。

その他の回答では、生涯現役エンジニアであることへのやりがいや、特許出願へのやりがいを挙げる声もありました。

Q3 今の仕事で、問題はありますか?(複数回答可)

今の仕事で、問題はありますか?(複数回答可)

若い世代の感じる問題TOP2は、ダントツで「給与が少ない」と「忙しい」でした。しかし、これらは年齢を重ねるほど低下していくようです。就職直後の数年は、彼らにとって、新しい仕事を覚えたり家庭を持ち始めたりする時期です。家計や休暇に圧迫感を感じているのでしょうか。それに対して、ベテランは給与水準も上がり、子供も成長しているので、余裕があるのかもしれませんね。

「職場の人間関係」や「昇進」が問題であると最も感じている年代は、30代前後でした。およそ4人に1人が問題ありと回答。部署の中でも「中堅」と呼ばれることが多いこの世代は、上下世代に挟まれ、人間関係に苦労しているのかもしれません。

おもしろいのは、年齢を重ねるにつれ、全体的に職場での問題を挙げる声が減少し、「問題は無い」とする回答が増えるところです。これは、給与水準が高くなるゆえの変化なのか、ある意味、諦めから生まれた回答なのか? 非常に興味深いところです。このあたりの話は、飲み会の話題のネタになるかもしれませんね!

この質問の「その他」には、多くの投稿が寄せられました。「周囲が新しいチャレンジを理解してくれない」「勉強する時間がない」といった自身のスキルの問題をはじめ、「人材不足」「残業規制反対」など職場の体制に関するものまで、エンジニアが職場で抱える問題が浮き彫りになりました。

いかがでしたか? 今回のアンケートに回答してくださった方の年齢層は、以下の通りです。45-54歳のベテラン層に最も多く回答をいただきました。職種別では、主に開発・設計、製造・生産技術の方々に最も多く回答をいただきました。このアンケート結果を、皆さんのキャリア選択の参考にしていただけると幸いです。今後も、製造業エンジニアのキャリアの参考になるような企画を公開していきますので、どうぞご期待ください!

年齢層別の回答率と回答者の職種別割合


キャリア企画の第1弾として、製造業エンジニアのお悩み相談室をスタートします。ぜひ、回答やアドバイス、お悩みをお寄せください。多く寄せられるものや興味深いものを中心に、本企画で意見を募集します。専門家などの意見と一緒にご紹介する予定です。