話題の動画サービス&セットトップボックス(STB):今さら聞けないIoTキーワード2

昨今話題の動画配信サービス。インターネットを介して、動画をダウンロードしたり、ストリーミング再生で視聴できる動画配信サービスは、レンタルショップなど外出することなく、自宅に居ながらさまざまな映画やドラマを楽しめるのが特徴です。

今回は、動画配信サービスの最新状況をレビューするとともに、それらの動画配信サービスをテレビで見るためのデバイス「セットトップボックス(STB)」について解説しましょう。

「Netflix」の日本上陸で盛り上がる動画配信サービス

動画配信サービスには、映画やドラマを作品ごとにレンタル・購入できるサービスもありますが、最近主流になっているのは定額制(サブスクリプション)で見放題のサービスです。2015年9月には、世界最大規模の定額制動画サービス「Netflix(ネットフリックス)」が日本でサービスを開始し、注目を集めています。

また、同じく9月からAmazon.co.jpが、Amazonプライム会員向けの動画見放題サービス「プライム・ビデオ」を開始したことも話題になりました。このほかにも、2011年より日本でサービスを開始した「Hulu(フールー)」、NTTドコモが提供する「dTV(ディーティービー)」など、さまざまな定額制動画サービスが登場しています。

これらの定額制動画サービスでは、国内外の映画やドラマ、アニメなどを好きなときにいくらでも視聴することが可能です。各サービスの主な違いは、作品のラインアップや料金となっています。一方、各サービスで共通しているのが、パソコンやスマートフォン、タブレットといった複数端末で動画を楽しめる点です。例えば、仕事帰りの電車内で、スマートフォンで動画を視聴し、自宅に着いてからパソコンやタブレットで続きを楽しむこともできます。

インターネットを介したサービスなので、動画配信サービスはパソコンやスマートフォンで視聴するのが基本となります。しかし、せっかくなら自宅の大画面のテレビでも動画を楽しみたいというニーズも多いのではないでしょうか。動画配信サービスに対応した「スマートテレビ」も登場していますが、こちらはまだまだ少数派。

そこで活用したいのが、セットトップボックス(STB)と呼ばれるテレビに接続するデバイスです。STBという製品カテゴリー自体は新しいものではなく、古くはケーブルテレビの受信装置なども含まれますが、最新のSTBはインターネットに接続して、テレビをスマートテレビ化できるのが特徴です。箱型やコンパクトなスティック型があります。これをテレビのHDMI端子に接続し、Wi-Fiでインターネットにつなぐことで、動画配信サービスを利用できます。スマートテレビを買う必要がありません。

それでは、最新のSTBにはどんな製品があるのか? Apple、Google、Amazonの大手3社が提供する製品を見ていきましょう。

Apple・Google・Amazonのセットトップボックス(STB)

Appleが販売しているSTBが「Apple TV」です。2015年9月には第4世代となる新型Apple TVが発表され、10月下旬に発売予定となっています。Apple TVでは、iTunes Storeで動画をレンタル・購入できるほか、HuluやNetflixといった動画配信サービスも視聴することが可能です。

また、新型はサードパーティー製アプリに対応し、ゲームをはじめとするさまざまなApple TV向けアプリが開発される見込みで、リモコンをゲームコントローラーとして使ってゲームを楽しむことができます。さらに、iPhoneでおなじみの音声アシスタント「Siri」にも対応し、対話しながら動画を探したり、再生や早送りを操作することも可能です。

Apple TV
Apple TV(引用:PR TIMES

一方、Googleは、テレビに接続するデバイスとして、「Nexus Player」と「Chromecast」の2製品を販売しています。Nexus Playerは動画もゲームも楽しめ、Apple TVに似たデバイスとなっています。人気なのは低価格なスティック型デバイスのChromecast。第2世代となる新型のChromecastが2015年9月に発表されたばかりです。

Chromecastは、AndroidやiOS端末の対応アプリからの指示で、動画コンテンツをテレビの大画面で再生できるデバイスです。HuluやNetflixのほか、ドコモやauといったキャリアの動画配信サービスのアプリにも対応しています。スマートフォンやタブレットが必要になりますが、さまざまな動画配信サービスをテレビで楽しむことができます。

Nexus Player

Nexus Player(引用:@Press

また、Amazonも「Fire TV」「Fire TV Stick」というSTBを販売しています。Fire TVは4K映像に対応したハイスペックなデバイスです。一方のFire TV Stickはコンパクトなスティック型デバイスながら、スマートフォン不要で単独で動作するのが特徴です。両製品は2015年9月に日本発売が発表され、10月下旬より出荷予定となっています。

Fire TVとFire TV Stickでは、Amazonビデオストアで動画をレンタル・購入できるほか、Hulu、Netflixなどの動画配信サービスを利用可能です。最大の特徴は、Amazonプライム会員向けの動画見放題サービス、プライム・ビデオをテレビで視聴できることでしょう。Amazonをよく利用する人にとっては、要注目アイテムといえそうです。

新型STBの浸透が、周辺ビジネス拡大の鍵

NetflixやAmazonのプライム・ビデオが日本でサービスを開始し、さらにApple TVやChromecast、Fire TVといった新型STBが相次いで発表されるなど、動画配信サービスがにわかに盛り上がっています。なかでも、世界50か国以上で6,500万人超という世界最大規模の会員数を誇るNetflixは、独自コンテンツの制作にも力を入れていて、動画視聴だけでなく、映像制作のあり方も変える存在となっています。

とはいえ日本では、自宅で映画を見るときには、店舗でDVDをレンタルまたは購入する人が依然として多く、動画配信サービスの利用には、まだまだ障壁があるようです。その障壁を解消する役割を担うのがSTBです。今後、STBが普及し、テレビでインターネット上の動画を楽しむというスタイルが定着すれば、さまざまな動画配信サービスのほか、周辺ビジネスの拡大にもつながるかもしれません。