【回答受付終了】管理職と技術職のどちらに進むべき?Tech Note読者とキャリアコンサルタントの回答を紹介:製造業・建設業エンジニア キャリアお悩み相談室3

管理職と技術職のどちらに進むべき?Tech Note読者とキャリアコンサルタントの回答を紹介:製造業・建設業エンジニア キャリアお悩み相談室3

Tech Note読者のキャリアに関する質問に回答する「製造業・建設業エンジニアキャリアお悩み相談室」。3回目は、「管理職」か「技術専門職」かの岐路に立った方のお悩みに対して、キャリアの専門家の回答と、Tech Note読者のご意見を紹介します!

Q:30代になり、今後のキャリアパスについて、考えるようになりました。管理職と技術専門職、それぞれの道に進んだ場合の仕事のやりがいや、面白、大変なことを教えてください。(30代 自動車部品 生産技術)

回答者 日本アルテック株式会社 キャリア・コンサルタント 浦林 次郎

製造業のエンジニアに特化した人材紹介サービス、就職・転職支援サービス、求人サイト運営などを展開。転職希望者とじっくり向き合い、中長期的にコンサルティングを行うのが特徴。

A1:管理職と技術職、それぞれの魅力と苦労を知ろう

仕事のキャリアを考える上では、必ず節目というものがあります。学生時代に就職を意識したときから、新入社員として社会人スタートしたとき、仕事に慣れてきてスキルアップを考えたとき、ほかの道もあるのではないかと悩んだとき。このように、社会人には、キャリアのスタートから数限りない悩みや節目が存在します。

今回のご質問からは「管理職」と「専門職」のどちらへ進むべきかという節目に立っていることが分かります。まずは、それぞれについて考えてみましょう。

管理職の魅力と苦労

皆さんが思い浮かべる管理職は、「マネジャー」「課長」といった肩書ではないでしょうか。こうした役職の魅力は、まずは「そもそも役職・肩書がもらえる」「給与が高そう」「人の上に立つ立場」などの表面的なメリットです。本質的には「プロジェクトや組織をコントロール・遂行するやりがい」「人を育て、マネジメントするやりがい」というふうに、管理職ならではのやりがいが存在するでしょう。

逆に苦労という意味では、「責任」が重くのしかかってきます。特に、自分だけでなく、管理している対象(プロジェクトや組織)に対しての責任者となります。単純に「自分のことだけやっていればよい」という立場ではありません。

技術専門職の魅力と実情

一方、技術専門職の場合、皆さんは「スペシャリスト」「職人」というイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。とにかく、特定の分野において、誰よりも詳しく、高い技術力を持っている人ですね。魅力としては、技術力を磨くことを最優先させ、他人がまねできない仕事をし、専門業務(開発や設計など)に集中できる、というところでしょうか。

逆に苦労という点では、当然高い技術力が求められます。ほかの専門技術職の人と比較され、技術力が低いと見られた場合、やりたい仕事ができないかもしれません。また、会社によっては、どれだけ技術力が高くても、それを評価する制度がなければ、給与に反映されないかもしれません。

Tech Note読者の方の回答からも、同じような意見が見受けられます。

管理職:チーム、組織レベルで結果を出す難しさはありますが 、達成感は個人レベルの比ではありません。同時に、どんな理由であれ、責任は全て管理職たる自分が取るべきと覚悟を持たなければなりません。だからといって細かい管理もダメで、部下には自分で考えながら仕事をする環境を作ってやらなければなりません。ひいては、それがボトムアップにつながり、チーム力が上がり、結果に結び付きます。管理職は覚悟を持って、仲間と結果を出さなければならない職種だと思います。

技術専門職:個人レベルで満足できる人、出世欲があまりない人には、向いていると思います。言い換えれば、他人の評価を気にする人は向いていません。将来性は管理職よりは安定しており、万一リストラにあっても転職はしやすいと思います。管理職の場合、キャリアだけでは同等以上の待遇での転職は厳しいです。

A2:会社の制度も見てみよう!

どちらを選ぶにせよ、勤務する会社による違いも、考えておかなければなりません。下記のような点です。

  • 「管理職か専門職を選ぶ」という考え方や制度があるのか?
  • 上司から声をかけられるのか?
  • 管理職の人数は限られる。誰かが辞めないとポジションが空かない。

そもそも、管理職にはなりたくてもなれるとは限りません。希望しても、管理職に適していると思われなければ選ばれません。よって、管理職になりたいのであれば、その企業でどうすればなれるのか、そこから考えなければなりません。

また、技術専門職についても、全くマネジメントをしないかというと、そうではありません。一般的に、ある程度の年齢で技術力がある人が、全くマネジメントに関わらないというのは考えられません。例えば、小さいチームやプロジェクトの管理、新人や後輩の育成、外部パートナーや業者との折衝など、どれも技術専門職でも行う仕事です。

ゆえに「技術専門職」を選んだとしても、マネジメント能力はあって困ることはありませんし、むしろ身に付けていくべき能力です。読者の回答からも、会社ごとの違い、また管理職と技術職の共通部分が見て取れます。

管理には、ある程度専門的な技量、知識が必要です。つまり、管理職になるには、専門職を使えるだけの技量を持たなければならないということです。今の世の中、技術専門で生きていくには、あまりにも守備範囲が狭くて、何が起こっても、専門技術で生き抜けるという時代ではないように思います。

会社の方針次第で、一概には言えませんが、私は管理職登用を断り技術専門職を選んだ結果、数年間人事面でマイナスになりました。その数年間にやりたかったことができて、結果的には自分では良かったと思っています。今は、その功績が認められ管理職になりました。ただし、給与面では早く管理職になればと後悔したことも事実です。まずは、会社規定、同僚、上司などから考えて、後悔しない選択をしてください。管理職でも専門職に関わることもできます。

まずは、技術専門職を進む筋を立てる方が良いと思います。管理職になった後で専門を極めることは難しい。そもそも管理職は適性があれば、引き上げられるはず。専門を磨いているうちに管理職となる道は多く存在する。

A3:転職市場では、どちらが有利?

会社を辞める前提で話をするのは気が進みませんが、会社都合や世の中の状況で、転職せざるを得ない場合があります。転職コンサルタントとして目線では、日本の製造業の場合、管理だけを行う業務で中途採用というケースはそれほど多くないと感じています。

超有名企業の部長クラスや、大プロジェクトを成功させたことを評価して採用したいと考えるのは、海外企業・外資系企業・ベンチャー企業にはよく見られます。しかし、一般的な日本企業は、管理職層の人材を多く抱えているので、わざわざ中途採用するケースは多くはないようです。

むしろ技術専門職の場合、純粋にその技術力を評価する企業は多く、その場合年齢はあまり関係がありません。中には、定年後も嘱託や顧問という立場で、声がかかるという事例も多々聞きます。

私は現在54歳で、製造業で研究開発職を貫いています。私も30代のころ、同じ悩みがありました。転職を考えていたので、技術職に進みました。おかげで転職もでき、現在の地位を築きました。

定年後、設計で引き続き再雇用されて3カ月目。設計の業務は、部下無しのチームリーダー、作図から交渉事、現場仕事もこなしています。ただ、兼任で管理責任者もやっています。技術職の方が、自分がイニシアチブを取って、進められる点は面白いし、やりがいがあります。

A4:技術を極めることで、あらゆる道が開ける

ご質問者は、30代になってキャリアパスを悩み始めたとのことです。また、すぐの選択を迫られている状況ではないようです。管理職であっても技術専門職であっても、いずれも「技術部門の業務」です。

まずは、基本となる技術力を磨き、技術を極めることを意識してはいかがでしょうか。望むかどうかにかかわらず、その先に選択を迫られる場面は来るでしょうし、技術専門職を極めることで、管理職の道が開けることも往々にあります。今は目の前の技術習得に励み、来るべき分岐点に備えることをお勧めします。

次回は、会社都合による「技術から営業への職種転換」にまつわる回答をご紹介します。お楽しみに!