【回答受付終了】定年後はどうする?Tech Note読者とキャリアコンサルタントの回答を紹介:製造業・建設業エンジニア キャリアお悩み相談室1

定年後はどうする?Tech Note読者とキャリアコンサルタントの回答を紹介:製造業・建設業エンジニア キャリアお悩み相談室1

2016年2月にTech Note読者の方に実施したアンケート「回答募集中!定年後はどうする?:製造業エンジニアキャリアお悩み相談室1」では、たくさんの回答をいただき、ありがとうございました。今回は読者の方からの回答に加え、キャリアコンサルタントからの解説も併せて、紹介します!

Q:50代になり、定年後のことが気になり始めました。どんな準備をすればいいのでしょうか?(50代 電子部品 開発・設計)

回答者 キャリアコンサルタント M.A

製造業経験後、中小企業診断士資格取得を経て外資系人材紹介エージェントに就職。主に製造業のクライアントを支援。

がむしゃらに働いた40代が過ぎ、50代になってくると、今の環境における自分の可能性について、良くも悪くも見えてきたという人は多いでしょう。定年も迫り、残りの人生をどう考えるかという時期に来ています。

そんなときは、まず「定年後に自分は何をしたいか」「経済的な心配はないか」を考えてみましょう。それによって、あなたが今何をすべきかが見えてくるはずです。

A1:社会に貢献したい意欲が強い技術職

まず「何をしたいか」についてです。技術職の方の場合、定年後も技術を生かして世の中に貢献したいと考える人の割合が多いようです。そして幸運なことに、その活躍の場も少なくありません。

例えば後進の育成です。60歳を超えても雇用されるケースもありますし、会社が高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入していれば、希望すれば65歳まで働くことができます。

また、定年後にベンチャーで活躍された例もあります。製造業(精密機械)で製品企画のマネジャーだったAさんは、定年後にクラウドソーシングを使って通訳の仕事を始めました。そこであるベンチャー企業の支援をしたことをきっかけに、紹介をたどってハードウェアスタートアップと知り合います。

人脈を持っていたAさんは、ハードウェアスタートアップの人たちとステークホルダーとをつなげて、仕事の芽を作っていったのです。今風で珍しいケースのように思えますが、彼が支援していたのは、数名規模の小さくて地味な会社たち。そのような会社を複数支援し、顧問契約を結ぶことで、多くはなくとも収入を得て、自分の経験を生かし、これまでとは違ったフィールドで活躍しています。

実際のTech Note読者の方の回答にも、定年後も活躍したケースがありました。

「定年と同時に1年間の準備期間の後に開業して14年が経過。新製品の開発や特許の取得などを行い、たった1人だけの、自社ブランドを持った会社を経営している」

「誰でもできる仕事では駄目。私は67歳でハンティングされた。その代わり、他人の倍仕事をしてきた」

ただし、これらは誰もができるわけではありません。定年後にも活躍される方は、専門的な強みを持っていることが多いです。

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A2:「自分は何者なのか」を問う

定年後にも活躍の場を求めるのなら、自分のスキルを棚卸しすることをおすすめします。「自分は何ができるのか」または「何ができないのか」など、自分がやってきたことを体系的に理解しましょう。その上で自分が定年後にしたいことと比較し、足りないものがあるようなら、そこを埋める準備をしましょう。スキルの習得や人脈作り。もちろん早ければ早いほど有利です。

再びTech Note読者の方の意見を見てみましょう。

「40代の頃から製品開発で起業しようと思っていた。50代になってから小型の加工機械や測定機などを順次そろえながら、準備を始めた」

「起業しなかったときのために、友達を作ったり、趣味としても生かせるかもと考えて中国語の勉強を始めた」

「50歳で定年まで10~15年あるとき、定年後の技術社会で要求される特殊な専門性を、定年までにどこまで蓄積できるかが最重要。技術管理職になって、耳学問だけの専門性では役に立たない。自分で苦労して解決したことだけが、定年後の自立時に役立つ」

「シニアボランティアとして海外で活躍したいと考えている。必要なのは専門知識と英語力。TOEIC700を目指している」

大事なのは「目的」と「技術」をセットで考えることです。これまでの自分の技術や経験を整理したら、やるべきことが何となく見えてきたのではないですか? それでは最後に、大事な大事なお金の話をしましょう。

A3:お金もやっぱり重要

定年後のお金の話も気になるところ。60歳で定年を迎えたとして、年金をもらえるのが65歳から。その間、たとえ無収入であっても問題ないかどうか、考えてみてください。収入がないと、自分でも驚くほど貯金が減っていくのを実感すると思います。急に生活レベルを下げることも難しいでしょう。まずは就業規則の定年退職の部分を熟読しましょう。退職金の額を割り出したり、先輩から情報を得たりなど、今からできることはあります。

安定を求めるのであれば、定年後も雇用延長は一つの方法で、保険料の点でも効果的です。ただ、退職金は確実に運用することをお勧めします。フィナンシャルプランナーと相談してもよいでしょう。自分で勉強して知識を得る方法もあります。

一方、定年後に再雇用されたとしても、以下の現実があります。

  1. 多くのケースが有期契約である
    1年の有期契約のケースが多いでしょう。つまり、毎年更新のプレッシャーがあります。それだけの価値を出していかないといけません。
  2. 雇用されても正社員とは限らない。多くは嘱託、契約社員という現実
    給料は減るでしょう。20~30万程度が相場のようです。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「60代の雇用・生活調査」(平成27年)によると、60代になっても何らかのかたちで働いている人は増加しています。賃金低下には納得している人は多いものの、2~5割減が現実。仕事内容が定年前と変わらないのに賃金が下がるのはおかしいと思う人も一定数いるようです。ただ、一度職を離れてしまうと、再就職は難しいでしょう。なんとか収入を継続したいと思う場合は、空白期間をできるだけ作らないようにすることが賢明です。

そして「なぜお金が必要なのか」も重要な視点です。あるTech Note読者の方の意見です。

「自分の親がそうであったように、できるだけ子供たちのためにお金を残してやりたい。また、妻から見て、いつまでも魅力的な自分であり続けたいということから、私は死ぬまで働き続けるつもり」

燃え尽きないためにも、重要な考え方の一つですね。人それぞれ大事にしたいことがあるでしょう。つまり、定年後のふるまいも人それぞれです。自分の立ち位置がはっきりすれば、積極的にお金を稼ぎに行くのか、安定運用するのか、その方向性も見えてきますよね。

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A4:その他のTech Note読者の回答

「社会から離れて孤立しないために、起業するにしても、趣味を生かして人の輪に入っていくにしても、何よりも大切なのは過去の肩書や地位を捨てて裸になって地域に溶け込み、ゼロからやって行ける覚悟だと思う」

「月並みだが、資格をとることと趣味を見つけること。自分は、前者は統計、後者は囲碁で頑張っている」

「妻がいなくても自活できるように、料理をすること、外出またはアスレチックに通うことで、健全な心身を保つことができる」

「50歳を超えたら人間は、自らの経験を生かして生活していくべきだと思う。それが後進や社会のためになる」

「エンジニアであれば、組織(会社)の方針で断念した案件や、協力できなかった事業をバックアップする提案をしてはいかがだろうか。必ず困っている事業所や会社があるはず」

「格好付けずに、どんな条件でも仕事を続ける。何歳になっても長い経験を生かせて、生きがいになる」

「今からならば、国家資格や公的資格の取得による再就職の可能性大。無線通信・電気回路・電気工事・主任技師・工事担任者・電検3種など…」

「昔の55歳定年制時代とは違う。今どきの65歳で健康な人は、経験豊かだしパソコンもできる。大卒新人より即戦力で、技術系の人の方がボケていない」

「勤め先とは無関係に、個人の名刺を作り、裏面には実績などを記載する。この名刺で売り込みを心がける」

キャリアお悩み相談室の第1回は、いかがでしたか? 次回は、若手のエンジニアのお悩みに焦点を当てる予定です。お楽しみに!


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