溶接継手の種類と強度計算:溶接の基礎知識2

溶接の基礎知識

更新日:2017年12月1日(初回投稿)
著者:兵庫職業能力開発促進センター 寺田 昌之

前回は、溶接の種類と基本的な溶接法である被覆アーク溶接法について解説しました。今回は、溶接継手の種類と強度計算です。溶接継手の強度計算は製品不良の防止につながるので、基本的な考え方を学んでおきましょう。

1. 溶接継手の種類

溶接継手とは、溶接によってつなぎ合わせる材料の組み合わせ方のことです。組み合わせ方によって、突合せ継手、重ね継手、両面当て金継手、片面当て金継手、角継手、T継手などの種類があります(図1)。溶接継手の選定は、溶接方法や板厚、応力のかかり具合などを考慮します。継手にかかる荷重の種類(引張応力、せん断応力、疲労応力など)や、荷重の大きさに十分に耐えられることが条件です。

図1:溶接継手の種類

図1:溶接継手の種類

継手の溶接量が増えると、入熱量が増えます。入熱量に比例して溶接ひずみは大きくなり、コストに影響します。そのため、できるだけ溶接量を少なくします。製品に必要な品質・コストを見極めた上で、最適な溶接量になるように設計しましょう。

2. 突合せ継手の開先

突合せ継手は、2枚の板材を同一平面で突合せる溶接継手です。大きな荷重が加わる場合は完全溶け込み溶接(部材の板厚全体を溶かし込む溶接法)、荷重が小さい場合は部分溶け込み溶接を行います。突合せ継手で強度が必要な場合には、板材と板材の合わせ目に開先(かいさき)、またはグルーブと呼ばれる溝を設けることがあります。開先の標準形状には、I形、V形、X形、レ形などの種類があります(図2)。

図2:開先形状の種類

図2:開先形状の種類

V形開先は、最も一般的な開先です。図3に、V形開先部の各部名称を示します。

図3:V形開先部の名称

図3:V形開先部の名称

3. 溶接継手の強度計算

溶接継手の強度計算では、溶接継手に作用する応力(内部に生ずる抵抗力)を算出します。継手の形状やビード形状、残留応力などを考慮すると複雑な計算になるため、引張応力とせん断応力で単純化したモデルで考えてみましょう(図4)。

図4:突合せ継手と重ね継手に生じる応力

図4:突合せ継手と重ね継手に生じる応力

溶接継手部に生じる荷重をP、溶接部ののど断面の引張応力とせん断応力をQ、溶接部の理論のど厚をa、有効溶接長さをLとすると、P=Q×Σa×Lが成り立ちます。このとき、Σa×Lは、有効のど断面積の総和です。

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4. 強度計算の事例

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