交通マスタープラン:交通計画の基礎知識4

交通計画の基礎知識

更新日:2022年1月7日(初回投稿)
著者:前橋工科大学 工学部 社会環境工学科 教授 森田 哲夫

前回は、パーソントリップ調査データを用いた将来交通量の予測方法について解説しました。今回は、将来交通量の予測結果により策定される交通マスタープランを取り上げます。都市交通マスタープランとは、都市交通問題を解決するために、道路ネットワーク、公共交通計画などの将来計画を総合的に検討し、交通政策のあり方を示した基本計画です。

1. 交通マスタープランの概要

都市交通マスタープランは、都市づくりの将来像や理念を明示し、自治体で個別に定める都市計画マスタープランなどとの整合性を考慮して策定されます。計画は、概(おおむ)ね10~20年後の将来を見据えて策定され、大きく2つから構成されます(図1)。一つは、将来の都市像です。そしてもう一つは、それを実現するための将来交通計画です。

図1:交通マスタープランの構成

図1:交通マスタープランの構成(引用:森田哲夫・湯沢昭編著、図説・わかる交通計画、学芸出版社、2020年)

将来の都市像では、10~20年後の都市の規模や人口構成を設定します。次に、都市の目標を達成するための将来都市構造・将来土地利用構想、将来人口配置、骨格交通体系(都市圏の拠点をつなぎネットワーク形成する連携軸)を検討します。将来都市構造では、都市の中にどのように都市機能を配置するのかが重要となります(図2、宇都宮市の例)。そして、将来土地利用構想では、さらに詳細に、商業・業務地、工業・流通地、住宅地、開発プロジェクト、農地をどのように配置するのか検討します。都市構造と土地利用が決まると、その都市の将来の人口配置が見えてきます。そして、都市に住む人々が、通勤、通学、通院などの目的で移動できるように、交通体系の骨格を検討します。

将来交通計画では、都市の将来像で検討した都市の骨格を具体的にするための交通計画を検討します。例えば、拠点間を結ぶ都市像を描いたときに、道路であれば具体的にどの道路を主軸として考えるか、また公共交通で拠点間を結ぶためのネットワークを検討します。

図2:将来都市構造の設定例

2. 道路ネットワーク計画

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3. 公共交通計画

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