TPM活動の概要と推進のポイント2:TPM(全員参加の生産保全)の基礎知識3

TPMの基礎知識

更新日:2015年11月5日(初回投稿)
著者:公益社団法人日本プラントメンテナンス協会 主幹研究員 松田 善介

前回は、TPM展開の8本柱のうち、個別改善、自主保全、計画保全の3つを解説しました。今回は、品質保全と製品設備開発管理の2つを説明します。

1. 品質保全

品質保全の基本思想は、「製品不良ゼロを達成するために、設備の不良を出さない」です。品質保全の定義は、以下の5つです。

  • 品質不良の出ない設備を目指し、不良ゼロの条件を設定する(条件設定)
  • その条件を、時系列で点検・測定する(日常・定期点検)
  • その条件を、基準値内に維持し品質不良を予防する(品質予防保全)
  • 測定値の推移から、品質不良発生の可能性を予知する(傾向管理・予知保全)
  • 事前に対策を打つ(事前対策)

実際は、どのように品質保全を進めればよいのでしょうか? 8の字展開、3保全連携による予防保全、加工点解析を使います。順に説明します。

1. 8の字展開

最近のTPMの品質保全は、「8の字展開」という方法をよく使います。8の字展開の特徴は、図1に示すとおり、全7ステップを「維持管理」と「改善管理」に区分し、それぞれのステップのレベルを上げていくことです。

ステップ1の「現状把握」では、維持すべき品質項目とその規格値を明らかにし、現状の品質を確認します。次に、各職場で品質作り込みのための遵守項目を洗い出し、その遵守率を確認します。この過程で、「QMマトリックス(品質保証度評)」を作成します。

ステップ2で復元対策が実行され、そこで良い結果が得られなかった場合には、改善管理のステップ3要因分析に進みます。良い結果の場合には、ステップ6の条件改善に進み、維持管理体制の見直しなどを行います。そして、このサイクルを継続的に回していきます。要因分析に関しては、PM分析が多用されています。

品質保全 8の字展開

図1:品質保全 8の字展開

2. 「3保全」連携による予防保全

最近の品質不良対策では、「品質保全」「計画保全」「自主保全」の3保全の活動連携が、重要視されています。

まず、「品質保全」活動で、「QMマトリックス」を作ります。4M(人:Man、設備:Machine、方法:Method、材料:Material)の視点から、良品条件を維持する点検項目を洗い出し、基準を外れると必ず不良につながる設備の部位を「Qコンポーネント」と定めます。

次に、このQコンポーネントの良品管理基準を、「計画保全」活動で決めていきます。そして、その条件の状態監視や点検方法などを「自主保全」に展開し、異常の兆候が現れないかを見張りながら、良品条件の維持活動を行います。

3保全連携による予防保全

図2:3保全連携による予防保全

3. 加工点解析

不良ゼロを目指す品質保全では、ワークの品質に影響を及ぼす加工点での解析が重要です。加工点とは、ワークに直接接触する点のことで、設備の部位、刃具、治具、液体、気体なども含まれます。加工点の構成要素の原理、原則による工学的な解析が求められます。最初から良品製造を目指すためには、製品開発や設備開発のねらいを理解したり、現場の知恵をフィードバックするなど、日頃からの部門横断の情報共有が大切です。

さらに最近では、加工において、アウトカム(Outcome:本質的な成果)への発想転換が重要になっています。穴あけ加工のアウトカムは、ドリルを使って穴を開けることではなく、最適な穴が開いた状態です。そのためには、従来のハードのみの発想から、ハードとソフトの両方を選択肢として考える必要があります。モノからコトへ、スペックインからアウトカム、ニーズ・インへの発想転換が求められています。

2. 製品設備開発管理

保管用PDFに掲載しています。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。