サードパーティクッキーを使ってできること:サードパーティクッキーの基礎知識5

サードパーティクッキーの基礎知識

更新日:2022年10月11日(初回投稿)
著者:ひぐぺん工房 松浦 健一郎、司 ゆき

前回は、Webブラウザを使ってサードパーティクッキーを確認し、その送受信の仕組みを解説しました。今回は、サードパーティクッキーを使うことで何ができるのかを解説します。サードパーティクッキーの主な利用例として、トラッキング、ターゲティング広告、コンバージョン計測を紹介します。

1. トラッキング

トラッキングとは、ユーザーの行動を追跡することです。Webにおけるトラッキングでは、ユーザーがどんなウェブサイトにアクセスしたのか、そのウェブサイトでどんな操作をしたのかを調査します。サードパーティクッキーを使うと、提供元が異なる複数のウェブサイトにわたって、ユーザーの行動を追跡できます。これはクロスサイトトラッキングとも呼ばれます。

例えば、ユーザーがショッピングサイトを利用したとします。ショッピングサイトは、ユーザーを識別するためのクッキー(ここではファーストパーティクッキー)を送信し、Webブラウザはクッキーを受信して保存します(図1)。これは、店舗を訪れた顧客に、ポイントカードを渡すことに相当します。

図1:ユーザーにクッキーを渡す
図1:ユーザーにクッキーを渡す

ユーザーが他のウェブサイトを訪れたとき、そのウェブサイトにショッピングサイトの画像が貼られていたとします。Webブラウザは画像をリクエストする際に、保存していたクッキー(ここではサードパーティクッキー)とリファラ(参照元のURL、ここでは現在閲覧しているウェブサイトのURL)を、ショッピングサイトに送信します。

例えば、ユーザーがニュースサイトとSNSを利用すると、ショッピングサイトはクッキーとリファラの情報から、ユーザーがこれらのウェブサイトを利用したことを知ります(図2)。これは、店舗以外のウェブサイトで待機しているスタッフに、顧客がポイントカードを提示することに相当します。

図2:ユーザーが利用したサイトを知る
図2:ユーザーが利用したサイトを知る

さまざまなウェブサイトにショッピングサイトの画像が貼られていれば、ユーザーがこれらのウェブサイトを訪れるたびに、ショッピングサイトに通知されます。これは、さまざまなウェブサイトに店舗スタッフが待機していて、ユーザーの行動を追跡していることに相当します。こうしたトラッキングで得られた情報は、例えば、ユーザーが何に興味を持っているのかを予想するために役立ちます。

2. ターゲティング広告

ターゲティング広告とは、ユーザーが興味を持ちそうな広告を見せる手法です。前項のトラッキングで予想した結果は、このターゲティング広告に活用できます。例えば、スマートフォン関連のウェブサイトをよく訪れるユーザーに、スマートフォンの新製品に関する広告を見せれば、購入につながるかもしれません。ユーザーが全く興味なさそうな広告を見せるよりも、効果がありそうです。

ターゲティング広告の一種に、リターゲティング広告(リマーケティング広告)という手法があります。リターゲティング広告とは、あるウェブサイトを過去に利用したユーザーに対し、そのウェブサイトに関する広告を見せる手法です。ショッピングサイトで調べていた商品や、カートに入れた商品が、別のウェブサイトで広告に表示されたことはありませんか。これは、リターゲティング広告の一例です。

リターゲティング広告は、次のような手段で実現します(図3)。

  1. 1:ユーザーがショッピングサイトを利用すると、ショッピングサイトはユーザーを識別するためのクッキーを送信します
  2. 2:ショッピングサイトの広告が貼られたウェブサイトをユーザーが利用すると、先ほどのクッキーがサードパーティクッキーとして、ショッピングサイトに送信されます(図3の①②)。
  3. 3:ショッピングサイトは、クッキーを使ってユーザーを識別し、そのユーザーが興味を持った商品の広告を返します(図3の③④)。
  4. 4:ウェブサイトに、ユーザーが興味を持った商品の広告が表示されます。

図3:リターゲティング広告
図3:リターゲティング広告

リターゲティング広告には、問題点もあります。例えば、自分がひそかに興味を持っていた商品の広告が、別のウェブサイトを見ているときに不意に表示されるかもしれません(図4)。自分1人で見ている場合は大丈夫でも、他の人と一緒に見ている場合に気まずいなど、不都合が生じることもあります。

図4:リターゲティング広告が困る場合
図4:リターゲティング広告が困る場合

このようにサードパーティクッキーは、ユーザーの興味を予想し、購入につながりそうな広告を見せるために使われます。また、次に紹介するように、広告の効果を計測するためにも使われます。

3. コンバージョン計測

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