断熱の基準値と断熱設計の基本:断熱の基礎知識5

断熱の基礎知識

更新日:2017年11月22日(初回投稿)
著者:有限会社ADS計画研究所 代表取締役 堀 清孝

前回は断熱材の種類と断熱の工法を取り上げました。今回は断熱設計の基本として、断熱の基準値と断熱の設計方法を取り上げます。

1. 建築物省エネ法と省エネ住宅の税制優遇

断熱の基準は、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)に収束されました(第1回参照)。建築物省エネ法の基準は、性能表示制度、長期優良住宅制度、フラット35S、低炭素住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など多様な制度に利用・応用されています。また、建築物省エネ法で設けられた基準を満たす省エネ住宅は、所得税や贈与税など税制面で優遇されます(図1)。

図1:建築物省エネ法の基準を使った制度と省エネ住宅税制優遇

図1:建築物省エネ法の基準を使った制度と省エネ住宅税制優遇

2. 断熱の基準と断熱すべき部位

建築物省エネ法では日本を8つの地域に分類し、それぞれに必要な断熱の基準値を設けています(図2)。日本列島が縦に長く、それぞれの地域で気温環境が異なるためです。断熱設計を行う際は、それぞれの基準値を下回るように計画、設計することが必要です。

図2:断熱基準の地域区分(実際には市町村単位で非常に細かく区分されている)

図2:断熱基準の地域区分(実際には市町村単位で非常に細かく区分されている)

また、断熱すべき部位は、建物の6面を包み込むように設ける必要があり、それぞれの部位に名称が付けられています。もちろん、断熱の対象には窓やドアも含まれます(図3)。

図3:断熱すべき部位

図3:断熱すべき部位

3. 断熱の基準値

断熱の基準値は、UA 値(外皮平均熱貫流率)とηA 値(冷房期の平均日射熱所得率)の2つです。8つの地域ごとにクリアすべき数値が決められています。一部の地域では、基準値を設けていない場合もあるので注意しましょう。

1:UA 値

UA値(外皮平均熱貫流率)とは、家全体からどれだけ熱が出入りしやすいかを表した値です。外皮(屋根・外壁・床など、外部との境界)からの熱損失の量(外皮熱損失量)を外皮表面積の合計で割り、UA値を出します(図4)。

図4:UA値の計算方法

外皮表面積とは、床面を含む断熱材に覆われた部分の表面積です。具体的には床下断熱や外壁、あるいは天井や屋根断熱などの断熱材が設けられた部分の表面積を合計したもので、建物としては6面の面積です(図5)。この計算の際、熱貫流率が必要になります(第3回参照)。

図5:外皮表面積のイメージ

図5:外皮表面積のイメージ(一般社団法人日本サステナブル建築協会、住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・施工指針の解説 テキスト1、2013年、P.11を基に著者作成)

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4. 断熱設計の2つの方法

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5. 自社で設計するか、他社に委託するか

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