【初心者必見】補助金とは?注意点とは?:補助金の基礎知識1

補助金の基礎知識

更新日:2016年8月31日(初回投稿)
著者:浜松信用金庫 法人営業部 地域活性課 辻村 昌樹

近年、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など、中小企業でも利用できる各種補助金が増えており、補助金への関心が高まっています。本連載では4回にわたり、補助金に関する基礎知識や注意事項、また、話題となった「ものづくり補助金」の概要、事業計画書の作成ポイントなどを解説していきます。

1. 補助金とは?

まず、補助金とは、どのようなものかを見ていきましょう。補助金とは、端的にいえば、自社が行いたい事業や研究開発などに対して、国や地方公共団体から支給される、原則返済する義務のないお金です。ただし、補助金を使う必要性について、決められた書式で、ポイントを整理し、審査員(事業実施団体)が納得する書類を作成し、審査に通過する必要があります。

事業資金全てではなく、その一部が補助(助成)されることです。補助金額を超える部分に関しては、自己資金や借り入れで対応しなければなりません。補助金が活用できるからといって、安易に設備投資や研究開発を行い、過剰投資とならないようにしてください。

また、補助金は、国や地方公共団体が支給する資金です。要は、事業主の経済活動から得られた利益や、国民や住民の給料などから支払われた税金が原資となっています。国や地方公共団体の目的は、補助金を活用し、経済活動をより活発にさせることです。よって、厳しい審査が行われ、効果が高い事業が選ばれていきます。また、事業実施後も、その事業がどのようになっているのか、投下された資金(税金)が有効に活用されているかを調査されます。これから補助金活用を考えている方は、ぜひ、これらの主旨を踏まえ、税金を活用していることを念頭に、しっかりとした事業計画を立てていきましょう。

参考:補助金と助成金や交付金の違いとは?

助成金:公募要件の基準を満たせば、原則として資金受給できるものです。公募期間も限定されていないケースが多く、予算が消化されなければ、1年中利用可能です。実際は、補助金との明確な違いはないもの、便宜上、助成金は厚生労働省が管轄し、補助金は厚生労働省以外の官公庁、地方自治体、民間が行うものと区別するケースもあります。

交付金:法令または条例、規則などにより、団体あるいは組合などに対して、地方公共団体の事務を委託している場合において、当該事務の報償として一方的に交付するものをいいます。(引用:月刊「地方財務」編集局、7訂地方公共団体歳入歳出科目解説、ぎょうせい、2011年)

2. 補助金の流れ

それでは、次に補助金の流れについて見ていきましょう。皆さんが、補助金を活用しようとした場合には、どのようなスケジュールで準備するのがいいのでしょうか?

補助金は、国や地方公共団体が、年度予算で実施するケースが多いため、募集開始の時期がおおよそ決まっています。国の次年度予算の場合は、8月末に各省庁から財務省に概算要求書が提出され、年末には各省庁の施策と概算予算が、年始あたりには予算の決定が公表されます。その後、実際に公募が開始されるのは、2~5月ごろ(多少の前後あり)となります。

このように、大体のスケジュールが決まっているため、補助金活用の最初のポイントは、事前の情報収集と、事前に事業計画を立てておくことです。情報収集については、補助金の公募が開始されてからではなく、概算要求などを見ながら、次年度以降にどんな補助金が用意されているのかチェックしておきます。補助金は、国の施策が色濃く反映されるので、この点も見ておきましょう。

次に、補助金の流れを説明します。大きく、1:公募から採択までと、2:採択後から入金までに分けて見ていきます。

図1:補助金申請の流れ1(公募~採択まで)

図1:補助金申請の流れ1(公募~採択まで)

1:公募開始
公募期間は、1~1.5カ月程度

2:申込締め切り・審査開始
申込締め切り後、速やかに審査実施(先着順の場合もあり)。審査期間は、1~1.5カ月程度

3:採択結果の発表
補助金事務局のホームページなどで、採択結果の発表(申請者には書類で通知)

図2:補助金申請の流れ2(採択後~入金まで)

図2:補助金申請の流れ2(採択後~入金まで)

4:採択後の交付申請
採択後、補助金経費などを確定させた交付申請手続きを行う(見積書添付)

5:交付決定通知
補助金事務局から事業主に、交付決定通知書を送達

6:事業実施
事業実施期間は、数ヶ月~1年程度。この間に、補助金の申請書で記載した事業計画を全て実施する

7:実績報告・補助金請求・確定検査・補助金入金
事業終了後、速やかに実績報告を補助金事務局へ提出する。事業実施期間の事業運営、経費関連書類の確認後、補助金が入金される

3. 補助金のスケジュール上の注意点

補助金のスケジュールに関連する注意点は4つあります。

1:申込時の必要書類は、公募要領に明確に記載されています。形式要件の不備により、申込受理がされないケースがあります。内容は立派でも、審査対象とならないこともあり得るので、申請書送付時には、細心の注意が必要です。

2:設備や資材購入などの発注は、事業実施前(交付決定通知送達前)のものは経費対象外となります。採択通知があっても、絶対に設備・資材などの発注はしないでください。また、事業実施期間終了後に支払った経費も対象外となります。設備投資は、事前にメーカーや商社に確認し、事業実施期間内に導入が可能か確認してください。

3:補助金は原則、精算払い(事業実施後の入金)なので、それまでは自社で立て替える必要があります。ただし、金融機関によっては、補助金入金までのつなぎ資金の貸し付けに対応しているので、お取引先金融機関に相談してください。

4:近年、補助金によっては、中小企業経営力強化支援法の施行により、経営革新等支援機関に認定された認定支援機関からの確認書の提出が求められるケースがあります。確認書の発行には、ある程度の時間を要することもあるので、申請を検討される方は、早めに認定支援機関に相談してください。(参考:中小企業庁ウェブサイト 経営革新等支援機関認定一覧)

補助金ごとに違いはあるので、申請をされる際には必ず公募要領を確認してください。また、補助金は、数カ月から1年程度と、長期にわたって事業実施が行われます。これら一連の流れをつかみ、自社の事業計画と照らし合わせて、補助金を申請する妥当性・必要性および効果が認められるかを見極めてください。有効的な事業と判断できれば、自己資金や借り入れだけでは実現できない事業運営ができるチャンスです。ぜひ、補助金の獲得に取り組んでみましょう。

今回は、補助金とは何か、補助金の流れ、スケジュール上の注意点を解説しました。次回は、実際に補助金申請をする際の書類作成のポイントや注意点について説明します。