空間の明るさについて考えよう:空間デザインの基礎知識4

空間デザインの基礎知識

更新日:2021年12月17日(初回投稿)
著者:東京都市大学 都市生活学部 教授 高柳 英明

前回、キッチン空間の設計について紹介しました。今回は、空間の明るさについて説明します。

1. 生活照明の基本

蛍光灯やLEDバルブなどを使い分け、空間を過不足なく照らし、生活所作に支障をきたさないように計画するのが照明計画です。建築面積が500m2を超えるような中規模集合住宅や商業店舗などの照明計画では、専門の設備設計士が関与・分担します。しかし、150m2以下の戸建住宅クラスの設計では、ほとんどの場合、意匠設計者が照明計画も行います。そのため、不慣れな場合は、照明の基本を押さえておくとよいでしょう。

JISでは、住宅環境の照度基準として、勉強部屋などの机上面照度で750Lx(ルクス)、リビングルームなど、だんらん空間の照度は約250Lxを必要としています。また、通路や階段室など、足元を照らす程度でよい場所では10Lxあれば十分です。住宅居室内の場合、照度に関する法定規則はないため、この基準を目安に照明機器を選定・設置検討するとよいでしょう。また、照明器具にはそれぞれ配光データ(光の広がり方や、照度分布を示したカタログデータ)が示されています(図1)。これを参照し、適切な照明器具を選定します。

図1:照明器具の配光データ

図1:照明器具の配光データ

配光曲線図とは、照明器具からの光がどの方向へどれだけの強さ(光度)で出ているのかを示します。左図の光度(cd)は、光源の光束(Lm)が1,000Lmの場合の値を表します。水平面照度曲線図は、照明器具の光の広がり方向と、照度(Lx)の関係を示したものです。縦軸に光源高、横軸に水平距離をとり、光源高における直射水平面照度を求めます。1/2の照度角とは、光源の直下照度の1/2の照度になる点と光源中心を結んだ線、そして光源中心の鉛直方向線とのなす角度をいいます。

生活照明は、全般照明、局部照明、建築化照明に分類されます(図2)。

図2:生活照明の種別

図2:生活照明の種別(引用:Aiprah(著)、河村容治(監修)、超図解で全部わかるインテリアデザイン入門(増補改訂版)、エクスナレッジ、2019、図は筆者作成)

全般照明は、部屋全体を均一に照らすもので、ダウンライトやシーリングライトなどが該当します。局部照明は、壁に掛けた絵画やサイドテーブルの手元など、対象を限定して照らすもので、スポットライトやテーブルスタンドなどがあります。建築化照明は、いわゆる間接照明のことであり、壁や天井の懐(ふところ)などで拡散反射させ、間接的に照らす方式のものです。建築側の空間要素を用いて照らすため、建築化照明といいます。建築化照明は、光源が直接見えないので、スタイリッシュ、かつムーディーであり、柔らかな光が得られます。一方で、生活所作に必要な照度を補うには不十分なため、局部照明などを組み合わせて使うようにします。

2. 「明るさ」と「明るさ感」

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3. 照明の組み合わせによる空間効果

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