板金加工とプレス加工の共通点・相違点:板金加工の基礎知識5

板金加工の基礎知識

更新日:2017年12月8日(初回投稿)
著者:塑性加工教育訓練研究所 小渡 邦昭

前回は、板金加工の展開を紹介しました。今回は、板金加工とプレス加工の共通点・相違点を解説します。板金加工とプレス加工は、どちらも同じ形状の製品を作ることができ、多くの共通点があります。完成した製品だけを見ると、どちらの加工法で作られたのか、区別が難しいこともあります。しかしながら、両者にはそれぞれ長所・短所があり、求める製品を作るために、板金加工とプレス加工のどちらを選択するかは、品質・コスト・納期(QCD:Quality、Cost、Delivery)を考慮して総合的に判断する必要があります。

1. 板金加工とプレス加工の共通点

板金加工とプレス加工の共通点は、前工程で材料をせん断することです。穴開けや外形抜きでも、金型を利用したせん断が利用されます。せん断加工では、加工面にバリ(ギザギザした突起)が発生します(図1)。バリは製品にとって好ましくないため、取り除く必要があります。(参考:せん断加工とは?:プレス加工の基礎知識6

図1:せん断加工とバリの発生

図1:せん断加工とバリの発生

通常、バリは工具の進む方向(抜け側)に発生します。そのため、バリが製品のどちら側に発生するのか、せん断する方向を考慮して設計する必要があります。

図2:せん断方向とバリの発生

図2:せん断方向とバリの発生

板金加工では、例えば短尺材のせん断加工などでスピードが要求される場合、バックゲージを利用することがあります。この場合、製品の左右でせん断の性状が異なります。これが原因で、追加加工作業が発生したり、曲げ加工部分に割れが生じたりするなど、想定外のコストアップにつながることもあるので、注意が必要です。

2. 板金加工とプレス加工の相違点

板金加工は、汎用金型(穴を開ける・曲げるなど基本形状を加工する金型)を用いた少量生産に適しています。一方、プレス加工は、製品形状の専用金型を用いた大量生産に適しています。プレス加工には複数の手法があり、今回は単発・複合加工、順送り加工、トランスファー加工を取り上げます。

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