RPAの運用と今後の見通し:RPAの基礎知識5

RPAの基礎知識

更新日:2022年2月24日(初回投稿)
著者:シェアビジョン株式会社 代表取締役 小林 卓矢

前回は、製造業におけるRPA活用例を紹介しました。今回は、最終回です。導入後の社内体制について説明します。また、RPA導入後の社員の働き方と、RPAの今後を展望します。RPA導入を考えている企業だけでなく、既に導入されている企業の方にも参考になれば幸いです。

1. 専門部署の必要性

RPAの導入効果を最大限に得るためには、社員の理解が不可欠です。RPAをなぜ導入するのか、その目的を社員が理解することは非常に重要であり、社長直轄の専門部署を設置するのが効果的です。その上で、RPAを導入する意義や専門部署の位置付けなどを、社長や事業責任者など、その組織のトップ自らが社員に説明します。朝礼やミーティングの際に、進捗状況の報告などとともに、繰り返し説明することが重要です。

専門部署を設置する目的は、RPAのノウハウを属人化させないことです。RPAは、個別業務の自動化が可能なため、対象業務を担当している部署に導入を任せてしまうこともできます。実際に業務を担当している社員であれば、比較的簡単に自動化プログラムが作成できるからです。しかし、その方法ではRPA化のノウハウが「担当社員だけ」のものになってしまいます。最初の導入は限られた業務であっても、その効果を検証しながら徐々に対象業務を広げていき、社内にしっかりとノウハウを蓄積する仕組みを作っておく必要があります。それが専門部署の役割です。

専門部署を設置せず、部署ごとにRPAを展開してしまうと、各部署のRPA担当者だけがノウハウを保有している状態になります。仮にその社員が会社を辞めてしまえば、ノウハウを引き継げなくなってしまう可能性があります。このようなことから、専門部署が社内全体のRPAを把握し、機能するということで大きな意味を持ちます。とはいえ、中小企業では多くの場合、専門部署を設置する余裕がないのが実情です。兼任などでうまく人材を活用し、導入を進めるしかないケースも多いでしょう。その場合は、外部の専門家やシステム会社と連携しながら、実行しやすい体制を整える必要があります(図1)。外部に丸投げして社内の業務が自動化することはあり得ないため、そのバランスを考えながら、各企業に最適な体制を構築する必要があります。

図1:専門部署の設置(コンサルティング業の場合)

図1:専門部署の設置(コンサルティング業の場合)

2. IoTとの相性

インターネットの普及により、クラウドサービスやSNSなどのさまざまなツールが新たに開発され、その利便性は高まり効率的になることが増えています。RPAという技術は、今後のビジネスにおいて、業務に欠かせないデファクトスタンダード(公的な標準化機関から認証を受けるのではなく、市場における競合他社との競争によって、業界標準として認められるようになった規格)になっていくと思われます。OCR(Optical Character Recognition/Reader:光学的文字認識)とRPAを組み合わせた入力業務の自動化は、紙ベースの帳票がいまだに主流である現状下では、とても効果的な方法だと思います。(OCRとは、手書きや印刷された文字を、イメージスキャナなどによって読みとり、デジタルの文字コードに変換する技術です。)

さらに今後は、RPAが他のツールと連携することで、自動化が可能になる業務が広がることも期待されます。代表的なのは、AI(人工知能)との連携です。AIを活用すると、手書きの文字をより正確に認識できるようになったり、人の顔を画像で認識できるようになったりします。また、音声を認識できるAIも登場しています。

今のところ、RPAは、与えられた業務プロセスの反復や単純作業が得意で、さまざまな情報を基に判断することが苦手です。しかし、AI技術との融合で、より複雑な判断が伴う事務業務の作業も自動化が可能になり、飛躍的に業務の効率化が図れる時代がまもなくやって来ると考えられます。

3. 今後の見通し

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。