ロボットマニピュレータのセンサ:ロボット工学の基礎知識3

ロボット工学の基礎知識

更新日:2017年11月30日(初回投稿)
著者:福岡工業大学 工学部 教授 木野 仁

前回はロボットマニピュレータのアクチュエータについて解説しました。ロボットマニピュレータの駆動と制御には、アクチュエータ以外にセンサが必要です。搭載されたセンサの計測性能以上の精度を、マニピュレータは発揮できません。つまりアクチュエータと同様に、センサの性能がマニピュレータの性能を左右するのです。今回は、ロボットマニピュレータに用いられる代表的なセンサについて解説します。

1. センサの種類

センサとは、角度や距離、力、温度など物理量を計測する装置で、マニピュレータにはさまざまなセンサが搭載されています。ロボットマニピュレータは得られた物理量を目標値などと比較し、アクチュエータの駆動に反映させて、さまざまな動作をします。アクチュエータと同様に、センサの性能はマニピュレータ全体の性能を決める重要な要素の一つです。

考慮すべきセンサの特性は、コスト・耐久性・質量の他に、計測できる物理量の最大値と最小値です。計測対象となっている物理量がセンサの計測レンジ(幅)に入っていないと、計測できません。どの程度まで細かく物理量が計測できるかも重要です。角度センサであれば、計測可能な最小値が1度と0.001度では、計測精度が1,000倍も違ってきます。計測可能な最小値を、分解能といいます。

計測時のサンプリング周期を知っておくことも重要です。例えば、あるセンサは0.001秒ごとに計測可能であるのに対し、他のセンサでは1秒ごとにしか計測できない場合もあります。このように、センサの特性を十分に把握しておかないと、要求する値が計測できない場合があります。

今回は代表的なセンサとして、角度センサ、角速度センサ、力(ちから)センサの3つを解説します。

2. 角度センサ

一般に角度センサは回転軸を持ち、その回転軸の角度を計測します。角度センサを用いることで、マニピュレータの関節(ジョイント)角度やアクチュエータの回転軸の角度を計測します。一般的な角度センサの形状は、モータとよく似ています。モータが電流などの駆動指令を入力することで軸を回転させるのに対し、角度センサは自力で軸を回転させることはできず、外部からの力により回転した軸の回転角度を計測・出力します。代表的な角度センサに、ポテンショメータとエンコーダがあります。

・ポテンショメータ

ポテンショメータとは、可変電気抵抗回路の電圧変動を利用した角度センサのことです(図1)。軸の回転角に比例した電圧を出力し、その電圧を計測することで軸の回転角を逆算します。長所は簡単な構造で扱いやすい点、短所は寿命が短いことや、出力される電圧信号にノイズが乗りやすい点などです。

図1:角度センサ(ポテンショメータ)の仕組み

図1:角度センサ(ポテンショメータ)の仕組み(左は講師作成、右はWikipediaより引用)

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3. 角速度センサ

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4. 力センサ

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参考文献:イラストで学ぶロボット工学、木野仁(著)、谷口忠大(監修)、講談社