安定性評価の事例:品質工学(タグチメソッド)の基礎知識4

見えない品質を作る!品質工学(タグチメソッド)の基礎知識1

更新日:2015年10月6日(初回投稿)
著者:のっぽ技研 代表 長谷部 光雄

前回、不具合の発生確率は測定が難しいけれども、安定性は容易に測定できると紹介しました。そこで今回は、どのように負荷条件を設定し、何を測定して安定性を判断するのか、具体的な事例で解説します。キーワードは、いじめれば、分かるです。

1. 複写機の用紙トラブルは 予測できる?

複写機やプリンタのように紙を使用する機器では、機械の内部で用紙が詰まるトラブルが発生します。従来はトラブルがないことを認定するため、量産前に数週間から数カ月をかけて、信頼性テストや寿命テストを行っていました。

しかし、それらのテストを合格しても、量産後に思わぬトラブルが発生することがたびたびありました。つまり、従来のテストだけでは、量産後の市場トラブルを予測できないのです。

図1:従来のテストでは量産後のトラブルを予測できない

図1:従来のテストでは量産後のトラブルを予測できない

量産後のトラブルは、ほとんどが想定外です。なぜなら、事前に分かっているトラブルは、対策が実施されているので問題になりません。対策していない想定外の現象が、量産後のトラブルになるのです。そこで今回は、たった数十枚の通紙テストで、想定外トラブルをも低減できる方法を紹介しましょう。

2. 紙送り時間のばらつきに注目

「安定性」を評価するためには、1:どんな負荷条件にするのか(いじめるのか)? 2:どんな指標で実力を測るのか? ということが重要です。今回の複写機用紙におけるトラブルの評価では、

  1. 用紙の種類や状態、周囲の環境条件を変える
  2. モーターの駆動開始から必要な場所を通過するまでの紙送り時間

を採用しました。

平滑な紙でもざらざらの紙でも、厚い紙でも薄い紙でも、紙送りの時間にばらつきがなければ、安定していると考えられます。逆に、紙種や環境の影響で紙送りの時間がばらつけば、途中で滑ったり引っかかったりしているので、トラブルが起きる可能性が高いと考えられます。連載の第2回目で説明したように、データ数が少なくても、両極端の条件を使えば、結果の信頼性は高くなります。

複写機のトラブル評価の例

図1:複写機のトラブル評価の例

3. 比較評価の方法:直交表

A機とB機の2製品で、5枚通紙したときの累積紙送り時間を評価しました。表1 に示す12 通りの組み合わせで、条件を変動させています。直交表を活用して条件を組み合わせることで、想定外の条件が少なくなります。こうすれば、合計60枚(5枚×12条件)の通紙テストで、信頼性の総合的な実力を予測できるのです。

表1:トラブル評価における条件の組み合わせの例

トラブル評価における条件の組み合わせの例

4. 評価結果

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5. 認定(バリデーション)ではなく、査定(アセスメント)が必要

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