見えない品質の評価方法:品質工学(タグチメソッド)の基礎知識2

見えない品質を作る!品質工学(タグチメソッド)の基礎知識1

更新日:2015年7月23日(初回投稿)
著者:のっぽ技研 代表 長谷部 光雄

第1回では、日常の品質管理で見えない不良は、設計で未然防止することが重要と述べました。それでは、見えない不良を見つけるために、どのような品質評価をすればいいでしょうか?今回は、時間をかけずに効率的な評価を行うための、基本的な考え方を説明しましょう。

1. とある新製品開発のケース:本当に品質が改善されているのか?

新製品の設計者Aさん:「新しいアイデアを取り入れて、品質を改善しました。従来のような不具合は起きません。問題は解決済みです!(自信満々)」

評価担当のBさん:「(心の中でつぶやく)本当かなぁ。過去の同じような事例では、改善の副作用を見落としていたことが、量産開始後に明らかになったしなぁ。」

図1:品質評価で起きやすい問題例

図1:品質評価で起きやすい問題例

Bさん:「この新製品の最大の課題は、自社の従来品が抱えていた不具合の改善だ。はたして設計者Aさんが言うとおりの品質に仕上がっているのだろうか?試験で実力を確認したいが、量産開始までに十分な時間を確保できない。どうすればいいのか…。」

このような状況を前提として、見えない品質を評価する方法を考えてみましょう。

2. 多数のデータが必要な理由

後日、さらに、いろいろなことが分かってきました。

Bさん:「従来製品の不具合現象は、高湿度の環境に1週間以上放置された状況で発生しやすいといわれていた。しかし、調べてみると、高湿度の環境に放置しただけで、必ず発生する現象とも言い切れないなぁ。湿度以外の条件も関係しているらしい。」

問題の発生条件がこのように複雑だとすると、現象発生までの時間を比較するテストで、新旧製品の優劣判定をすることはできません。たとえば、2個ずつのサンプル品を使って、不具合現象が発生するまでの時間を測定して、結果が図2のようになったとします。

図2:不具合が発生するまでの時間

図2:不具合が発生するまでの時間

新製品の方が、従来製品より問題発生までの時間が長いようです。改善されているように見えますが、果たしてそうでしょうか。次の2つの判断のうち、あなたはどちらが正しいと思いますか?

回答1:平均値で比較すると、わずかだが新製品の方が改善している
回答2:2個のデータでは何ともいえない。もっとデータ数を増やす必要がある

多くの方は、回答2に賛成すると思います。現象の発生には、時間と湿度以外の要因が予想されるので、2個のデータでは判断の信ぴょう性が低いからです。その結果、多くの追加テストが実施され、高い「時間の壁」に突き当たります。

3. データ数に対する誤解

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4. 極端な条件の方が、データのばらつきは少ない

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