トヨタ生産方式から学ぶ品質向上:QC活動の基礎知識3

QC活動の基礎知識

更新日:2018年3月15日(初回投稿)
著者:楽々改善舎 代表 現場改善コーチ 来嶋 一弘

前回は、QC活動に用いるQC7つ道具とその限界について紹介しました。今回は、QC活動をより高いレベルで推進するために、自働化を学びましょう。自働化は、トヨタ生産方式を実現するための手法・考え方の一つであり、高い品質・信頼性を実現することができます。QC活動を推進する上で、自働化の考え方は大いに参考になります。

1. 自働化とは?

トヨタ生産方式は、トヨタ自動車が継続して改善を続けている、独自の生産方式です。トヨタ・プロダクション・システム(Toyota Production System)ともいわれ、頭文字を取ってTPSと呼ばれます。

トヨタ生産方式最大の目標は、徹底したムダの排除です。そのため、生産性向上のためのツールと考えられがちです。しかし、生産性だけでなく、品質向上の考え方も充実しています。トヨタ生産方式の二本柱は、生産性を向上させるジャスト・イン・タイムと、品質を向上させる自働化です。今回は、自働化について説明します。

参考:7つのムダとジャスト・イン・タイム:トヨタ生産方式の基礎知識2

自働化とは、通常加工の完了時に機械が安全に停止すること、もしくは何らかの異常が生じたとき、機械が自ら異常を検知して自動停止することです。オートメーション(自動化)と区別するため、人偏が付いた自働化とも呼ばれます。トヨタ自動車がラインを止めるなんてありえないと思う人がいるかもしれません。しかし、トヨタ自動車の工場見学に行くと、積極的にラインを止めている光景が見られます。

2. 自働化によるメリット

自働化の推進によるメリットは、不良品を作らないことによる製品品質の改善です。機械はスタートボタンを押すと、継続的に生産を開始します。そのため、調子が悪くなると大量の不良品を生産してしまいます(図1の上)。朝、工場に行くと、不良品が大量発生していたという結果にもなりかねません。これは、機械に異常を検出する機能がないために起こる事態です。一方、自働化では、不具合発生を機械が検知すると、ラインをストップして生産を停止します(図1の下)。

図1:自動化(上)と自働化(下)

図1:自動化(上)と自働化(下)

不良品を作らないことは、品質向上に加え、コスト削減にもつながります。筆者が勤務していた会社では、最終工程で完成検査と称して、良品と不良品の選別を行っていました。小さな部品だったこともあり、不良品は、ほとんどが廃棄されました。不良品の中には先頭工程で不良になったものもあり、その時点で廃棄できていれば、無駄なコストを抑えられたでしょう。手直しをする場合でも、完成品をばらして手直しするには工数がかかります。なるべく前工程の段階で手直しをすることで、工数削減が見込めます。

3. 不良品を後工程へ送らない仕組み

不良品を後工程へ送らないためには、作業者自らがラインを止める仕組みも有効です。トヨタ自動車のラインには、ひもスイッチと呼ばれるスイッチが設置されており、作業者が品質や部品の異常、作業の遅れなどに気付くと、ひもを引っ張ります。そうすると、コンベヤが停止し、工場の天井に設置された大型の表示器(アンドン)に異常発生が表示されます。ラインの責任者はアンドンの表示を見ると、すぐに現場に行き、異常を処置し、対策まで行います。異常を解決しないと、ラインを動かすことはできません。作業者の手に負えない場合は、上司も一緒に課題解決に取り組みます。

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4. 不良品を作らない工場

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