製品の品質管理:生産管理の基礎知識5

生産管理の基礎知識

更新日:2019年10月11日(初回投稿)
著者:早稲田大学 名誉教授 黒須 誠治

前回は、納期管理について説明しました。今回は、製品の品質管理を解説します。品質管理とは、不良品を出さないための生産管理業務です。不良品は絶対に顧客の手に渡ってはいけません。発生した不良品はできるだけ早期に発見し、手直しや廃棄など適切な処理方法を決める必要があります。廃棄する場合は、新たにそのぶんを作り直す手配をする必要もあります。また、不良品が発生しないように、日頃から設備や機械、作業方法を管理・改善することも重要です。

1. 品質検査

品質管理業務で最も大切なのは、顧客に不良品を渡してはならないということです。顧客だけではなく、市場に流出させない、という考え方も重要です。そのためには、製品を出荷する際、入念に検査を行い、良品であることを確認する必要があります。産業の種類によっては、出荷後の配送などにも注意を払わなければなりません。食品などは、配送中に傷むこともあるからです。表1に、不良が発生する原因を示します。

表1:不良発生の原因

表1:不良発生の原因

出荷直前に不良品を発見できたということは、検査の効果があったことを意味します。しかし、多数の工程を経て製造した製品にもかかわらず、最後の検査で出荷停止になったのは残念なことです。またそれは、会社にとっての損失でもあります。

そこで、製造過程の所々で検査を行い、不良品の発生をできるだけ上流工程で発見することで、以降の工程には不良品が流れないようにします。なお、最上流工程は、部品の購買・外注です。購入した部品の検査も必要です。また、不良品を発見した場合、今後、同様の不良が発生しないよう対策を講じ、改善策を関係部署に連絡します。

・全数検査と抜き取り検査

品質検査の方式には、全数検査と抜き取り検査があります。全数検査は、文字どおり全ての製品について検査を行う方式です。試作品のように、一品一品仕様が異なるものについては、全数検査が必要になります。また、個別受注生産型で、機械で製造せずに、人間が作業する工程が多い工場の製品は、基本的には全数検査を行います。

しかし、大量見込生産型で、機械や設備を使って製造する工場において、全数検査を行うことは不可能です。また、その必要性もありません。そのため、多くの場合抜き取り検査方式で検査します。抜き取り検査では、いくつかのサンプルをランダムに抜き取って検査し、それらが良品であるかどうかを判定します。

2. 標準化と品質改善

良品と不良品は、何を基準にして、どのようにして見分けるのでしょうか。例えば、部品を厚さ3mmに削って、きれいに磨きあげるという工程について考えてみましょう。削ってみたら3.1mmだった場合、これは不良品でしょうか。これを不良品とするかどうかは、あらかじめさまざまな観点から検討し、決めておく必要があります。

例えば設計部門は、厚さ3.1mmでも組み立ては可能なので、不合格にする必要はないと言うかもしれません。しかし、営業部門は、見栄えがよくないと売れないので、不合格にすべきと言うかもしれません。また、生産担当の作業者は、正確に3mmの厚さには切削できないと言うかもしれません。そもそも、3.1mmか3.05mmかはっきりしない、ということも考えられます。この場合、生産管理担当者は、関連部門と相談し、良品と不良品の境界水準を決め、その標準を作る必要があります。それが、標準化の重要な仕事です。

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3. 新製品開発

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