生産形態による管理の重点:生産管理の基礎知識2

生産管理の基礎知識

更新日:2019年8月30日(初回投稿)
著者:早稲田大学 名誉教授 黒須 誠治

前回は、生産管理の主な要素である、品質(Quality)、コスト(Cost)、生産量と納期(Delivery)を紹介しました。今回は、生産形態の分類(大量見込生産型、個別受注生産型、ロット生産型、バッチ生産型)と、各生産形態における生産量と納期(Delivery)管理について解説します。

1. 生産形態の分類

本稿では、生産形態を、大量見込生産型、個別受注生産型、ロット生産型、バッチ生産型に分類します。

・個別受注生産型と大量見込生産型

生産形態の最も基本的な分類に、受注生産型と、見込生産型があります。受注生産型は、顧客からの注文を受けてから製造を始めます。試作品などの個別製品は、受注生産型製品の典型です。造船業、建設業などの分野が該当します。これに対し、見込生産型では、注文を受けずに製造を行い、顧客に販売します。家電製品や日用雑貨品などの大量生産品が挙げられます(表1)。

表1:生産形態の分類表

表1:生産形態の分類表

・ロット生産型・バッチ生産型

個別製品と大量生産品の中間には、ロット生産型があります。1個ではないものの、大量でもない同一品を生産する方式です。また、ロット生産に似た方式に、バッチ生産型があります。バッチは、一山(ひとやま)や、一束(ひとたば)という意味です。何人分もの料理を、鍋でまとめて作るイメージです。化学産業や医薬品製造業、飲料製造業などの分野で行われています。

以下に、各生産形態における生産量と納期(Delivery)の管理について、詳しく説明します。

2. 大量見込生産型における生産量の管理

大量見込生産型は、同一品を大量に生産する生産形態です。この場合、製品の生産数と、生産の進行管理(正確には進捗管理)が、生産管理に課せられた重要な課題となります。

QCDのD(Delivery)は、一般的には納期を意味します。ただし、大量見込生産型では数量に読み替えます。大量見込生産型は、受注してから作るのではなく、見込みで適当な数量を作ってから売るので、顧客に製品を納める納期が存在しないためです。その代わり、売れる数量を的確に予測し、過不足が発生しないように、進捗管理が重要になります。

納期がないとはいっても、社内での生産計画は必要です。計画とは、時間軸上になすべきことを割り振ることです。いつまでに製品を何個作るという計画を立て、計画通りに行います。また、製品の原材料を他社から購入したり、部品を外注する場合は、他社に対する納期を決め、管理する必要があります。このような進捗管理なしでは、能率的な生産は行えません。

社内で計画を立て、納期を目指して生産するということは、自分が立てた計画が、自分にとっての納期になることを意味します。例えば、ある日付を決め、その日までに社内で発表するプレゼン資料を作成することを自分に課したとします。計画を手帳に書き込む人もいるでしょう。その計画は、自分に課した納期ということができます。日付は、自分にとっての納期です。ただし、この納期は、自分で設定しているだけなので、厳密に守らなくても大きな問題にはなりません。その点が、顧客と交わす契約納期とは異なります。

または、趣味でやっている楽団で、コンサートを開催する日を決めます。その日付は、自分にとっての計画になります。同時に、自分に課した納期にもなります。さらに、このコンサートを周りの人に宣言した場合、これは自分だけの納期にはとどまらず、周囲の人に対しての納期にもなります。自分以外の人に宣言した以上、計画を簡単に破棄するわけにはいかないからです。

誰に対しての納期であるかは、極めて重要です。納期と計画との関係を正しく理解しましょう。

3. 個別受注生産型における納期の管理

個別受注生産型の場合、D(Delivery)は、顧客と取り決めた納期を意味し、納期の管理が生産管理の中心になります。典型的な個別受注生産では、生産数量は1個のこともあります。その場合、生産数量を管理する必要はありません。しかし、顧客と契約した納期は、絶対に守る必要があります。

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4. ロット生産型・バッチ生産型における同期化の管理

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