空気圧による駆動:空気圧の基礎知識6

空気圧の基礎知識

更新日:2021年10月20日(初回投稿)
著者:東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授 川嶋 健嗣

前回は、空気圧機器の流量特性を紹介しました。今回は最終回です。空気圧アクチュエータの駆動方法と応用事例を紹介します。空気圧は圧縮性があり、軽量、クリーン、磁場の影響を受けない、発熱が小さいといった、電動駆動などとは異なる特徴があります。ただし、これまで見てきたように、流量特性などはやや複雑なため、今回説明する空気圧の制御も、やや煩雑になります。

1. 空気圧アクチュエータ

空気圧のエネルギーを直線運動や回転運動などに変換する機器を、空気圧アクチュエータといいます。空気圧アクチュエータは、空気圧シリンダなど直線運動を実現するものと、空気圧揺動アクチュエータや空気圧モータなど回転運動を行うものに大別できます。

近年は、柔らかさを有するソフトアクチュエータの研究開発が盛んです。人間の筋肉のように収縮する運動を実現する、空気圧ゴム人工筋などのアクチュエータも市販されています。

図1に、空気圧シリンダの概略図を示します。空気圧シリンダとは、圧縮空気のエネルギーを直動運動に変換する筒状の機械要素です(第3、4回)。一般に、空気圧シリンダは円筒をピストンで2つの部屋に仕切り、空気圧制御弁を用いて一方の部屋に圧縮空気を充填(じゅうてん)し、もう一方の部屋の空気を大気に排気することでピストンに圧力差を与え、ピストンを押してロッドの先端に接続した負荷の直線動作を実現します。

図1:空気圧シリンダ駆動回路の概略図

図1:空気圧シリンダ駆動回路の概略図

図1に示すように、ロッドがピストンの片面のみに接続されているものを、片ロボット型と呼びます。ピストンの面積がロッド側とロッドがない側で若干異なるため、方向によって最大発生力が異なることに注意が必要です。また、ピストンには、2つの部屋を仕切るために、その外周に漏れを防止するシールが取り付けられています。よって、ピストンと円筒の内面との間には、摩擦が発生します。最近は、低摩擦の空気圧シリンダが実用化されています。ただし、空気圧シリンダを低速で動作させる際には、摩擦の影響を受けやすくなるため注意が必要です。

空気圧シリンダの最大発生力は、圧力×シリンダ断面積で決まります。また、動作範囲(ストローク)は、ロッドの長さで決まります。外径やストロークの異なるさまざまな種類の空気圧シリンダが販売されているため、用途に合わせて選定することが重要です。

図1の空気圧シリンダでは、ロッドが直線運動を実現することから、シリンダの円筒部分がスペースを取ってしまいます。これに対し、ロッドをなくし、省スペースを実現したロッドレスシリンダと呼ばれるものも実用化されています。

2. 空気圧シリンダの駆動

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3. 空気圧サーボ制御

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