押出成形とブロー成形:プラスチックの基礎知識4

プラスチックの基礎知識

更新日:2017年3月17日(初回投稿)
著者:田口技術士事務所 田口 宏之

前回は、プラスチック成形法の概要と射出成形を説明しました。今回は、プラスチック成形法の2回目です。押出成形とブロー成形を詳しく解説します。

1. 押出成形

押出成形は、同一断面・長尺の製品を効率よく作ることができるプラスチック成形法です。製品断面と同じ形状をした金型に、溶融プラスチックを押し込んで製品を作ります。ところてんやパスタ麺の作り方をイメージするとよいでしょう。

図1:押出成形で作られた製品

図1:押出成形で作られた製品

押出成形で作られた同一断面・長尺の製品には、どのようなものがあるでしょうか? チューブしか思い浮かばないという人もいるかもしれません。しかし、非常に多くの製品が、押出成形を利用して作られています。以下に、押出成形を応用して作られる製品例(表1)と、押出成形の種類(図2)を示します。

表1:押出成形を応用して作られる製品例
  製品例
日用品 レジ袋、工作用マット、テープ、綿棒軸、コーナー保護材
食品 レトルトパウチ、ラップフィルム、真空包装フィルム
住宅・建材 給水管、排水管、床シート、樹脂サッシ、手すり被覆材、断熱材、波板、壁紙、キッチン建具面材、家具縁貼り材、モール、シール材、巾木
電気製品 コード被覆材、シール材、照明カバー、光学フィルム
自動車 シール材、モール、ワイパー部品、チューブ
その他 真空成形用シート、医療用チューブ、農業用フィルム

図2:押出成形の種類

図2:押出成形の種類

食品の包装などに使われるフィルムは、同一断面・長尺の製品の代表格です。シート(フィルムより厚いもの)は、真空成形などによりさまざまな形状に生まれ変わります。複数のフィルムやシートを貼り合わせることで、単独では得られない機能や性能を付与することもできます。また、多くの寸法バリエーションがある住宅・建材向け製品は、押出成形が最も活躍している分野の一つです。予想以上に、押出成形による製品があったのではないでしょうか。

今回は、モールやチューブなどを作る、異形・パイプ押出成形法(以下、押出成形)を説明します。図3に、押出成形機の構造を示します。

図3:押出成形機の構造

図3:押出成形機の構造

押出成形機では、プラスチックのペレット(粒状の塊)を加熱・溶融させ、金型に押し込みます。ここまでは射出成形と同じです。この後、一般的な成形法では、金型で溶融プラスチックを冷却し固化させます。しかし押出成形では、溶融プラスチックが常に動いているので、金型で冷却に必要な時間を確保できません。そのため、金型から出た後に冷却・固化させる装置が必要です。それがサイジングダイと冷却水槽です。サイジングダイは、冷却水槽に入る前に、変形しないように形状を支えながら冷却する装置です。その後、冷却水槽で完全に冷却・固化します。

冷却・固化した製品は、キャタピラーがついた引取機で引っ張り、切断機で必要な長さにカットします。薄板や柔らかい製品は、ドラムに巻き取ることもあります。これが押出成形の一連の流れです。一度セッティングすると、ほとんど手間がかからず効率よく生産することができます。

次に、押出成形のメリットとデメリットを説明します(表2)。

表2:押出成形のメリットとデメリット
メリット デメリット
・同一断面であれば、非常に効率よく生産可能
・長尺の製品も小さな金型で作ることができる
・金型が安価(低い圧力、可動部品がない)
・寸法精度が低い
・少量生産には向かない
・同一断面の製品しか作ることができない
・両端の切断部分の端部処理が必要

押出成形品は、基本的に同一断面の製品しか作ることができません。一方、長尺の製品を安価な金型で作ることができるため、二次加工と組み合わせて必要な形状にすることがよくあります。

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2. ブロー成形

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