プラスチック成形法と射出成形:プラスチックの基礎知識3

プラスチックの基礎知識

更新日:2017年2月24日(初回投稿)
著者:田口技術士事務所 田口 宏之

前回は、プラスチックのメリットやデメリット、製造に関わる技術分野を解説しました。今回は、プラスチック材料の特性を解説します。

1. プラスチック成形法の概要

プラスチックの成形法には、多くの種類があります。その基本的な考え方はどれも同じで、図1のようなプロセスを経て製造されます。

図1:プラスチック成形の考え方

図1:プラスチック成形の考え方

このとき、どのようにして溶融プラスチックを製品の形状で固化させるかを、優先して考えてしまいがちです。しかし、金型から素早く取り出すことも重要なポイントです。鋳物のように、毎回砂型を壊して製品を取り出したのでは、低コストで生産できません。

熱可塑性プラスチックの場合、加熱して溶融状態にし、冷却によって固化させます。熱硬化性プラスチックでは、溶融状態のプレポリマー(反応前の高分子)を成形時に加熱して、化学反応によって硬化させます。

図2に、主なプラスチック成形法の種類を示します。

図2:プラスチックの成形法の種類

図2:プラスチックの成形法の種類

プラスチック製品の大半は、射出成形、押出成形、ブロー成形のいずれかによって作られています。この3つの成形法のどれを選択するかは、製品の形状によってある程度決まります。表1に、各成形法と製品形状の関係を示します。

表1:製品形状の違いによる成形法の選択
成形法 製品の形状
射出成形 押出成形、ブロー成形で作られる製品以外
押出成形 同一断面・長尺の製品
ブロー成形 中空製品(容器)

この他にも、さまざまな成形法があります。その多くは、生産量やサイズ、材料特性などの理由で、この3つの成形法が使えない場合に選択されます。例えば、真空成形は成形時間が長くかかるものの、金型費用が安いため、サイズの大きな製品や少量生産に向いています。圧縮成形は、非常に古くからある成形法で、熱硬化性プラスチックの成形で活用されています。

これからプラスチックの成形法を学ぶ人は、まずは射出成形、押出成形、ブロー成形を理解するとよいでしょう。この3つを理解すれば、世の中のプラスチック製品の大半を作ることができ、その他の成形法にも応用が可能です。今回は、射出成形を詳しく解説します。

2. 射出成形

まずは、射出成形機の構造(図3)と金型の動き(図4)を見てみましょう。

図3:射出成形機の構造

図3:射出成形機の構造

図4:金型の動き

図4:金型の動き

射出成形機では、まず、プラスチックのペレット(粒状の塊)をホッパーに投入し、スクリューで前進させながら加熱・溶融します。そして、金型に設けられたキャビティ(製品と同形状の隙間)の中に溶融プラスチックを高圧で注入し、圧力を保ったままプラスチックを冷却し固化させます。固化が完了したら金型を開き、エジェクタピンで製品を突き出して取り出します。そして、再び金型を閉じ、同じサイクルを繰り返します。これが射出成形の一連の流れです。

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