配管の素材:配管の基礎知識2

配管の基礎知識

更新日:2018年2月27日(初回投稿)
著者:有限会社巌技術研究所 代表取締役 土井 巌

前回は、配管の役割や分類を紹介しました。今回は、素材別に見た配管の種類を解説します。配管の素材には、合金や樹脂などさまざまな種類があり、素材によって管の名称も異なります。配管素材を選択するときは、用途に応じ、素材の長所・短所や経済性を考慮する必要があります。

1. 金属管の種類と特徴

配管素材として主に用いられる金属には、ステンレス鋼、アルミニウム、炭素鋼、合金鋼、銅の5種類があります。それぞれの配管の特徴や、どのような環境で用いられているかを解説します。

1:ステンレス鋼管(ステンレス鋼鋼管)

ステンレス鋼は、10.5%以上のクロムを含んだ合金鋼です。ステンレス、ステン、SUS(サス)などと呼ばれることもあります。金属表面にクロム・鉄合金の不動態皮膜を生成するため、優れた耐食性を示し、耐食材料として広い需要があります。長所は、炭素鋼よりもさびにくく、強度に優れ、リサイクルが可能な点です。短所は、高価な点です。配管用ステンレス鋼管には31種類あり、それぞれに耐食性、耐低温性、耐高温性などの特徴があります。代表的なものに、オーステナイト系(SUS304TPなど)、オーステナイト・フェライト系(SUS329J1TPなど)、フェライト系(SUS405TPなど)があります。

よく用いられる配管用ステンレス鋼管は、JIS G 3448:2016一般配管用ステンレス鋼管で規格されています。SUS304TPD、SUS315J1TPD、SUS315J2TPD、SUS316TPDの4種類があり、給水、給湯、排水、冷温水などに用いられます。

  • SUS304TPD:通常の給水、給湯、排水、冷温水などの配管に用いられる。
  • SUS315J1TPD、SUS315J2TPD:SUS304よりも耐食性があり、SUS316よりも応力腐食割れに強いため、温水配管などに用いられる。
  • SUS316TPD:SUS304よりも耐食性があるため、腐食環境中の配管に使用する。

2:アルミパイプ

アルミニウムの特徴は、軽く、さびにくい点です。純度99.00%以上の純アルミニウムは、強度が低いため、ジュラルミンなどの元素を添加して比強度(密度当たりの強度)を高めます。アルミ角パイプは、主に建築サッシに使用されます。アルミ丸パイプは、熱交換器の配管や、船舶や海洋開発の分野で利用されています。

3:炭素鋼鋼管

炭素鋼鋼管は、炭素鋼を材料・材質とする鋼管です。炭素鋼は鉄と炭素の合金です。炭素の含有量によって、低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼の3つに分類されます。安価に調達できるため、水、蒸気、ガス、油、空気など、多くの種類の配管に利用されています。表1に、主な炭素鋼鋼管を示します。

表1:主な炭素鋼鋼管
名称 略号 規格の概要
配管用炭素鋼鋼管 SGP 亜鉛めっきの有無に応じて黒管(亜鉛めっきを行わない)と白管(亜鉛めっきを行う)に区別される。
水配管用
亜鉛めっき鋼管
SGPW 配管用炭素鋼鋼管に亜鉛めっきを施し、耐食性を上げた鋼管。空調・消火・排水・工業用水などの水配管に使用される。
圧力配管用
炭素鋼鋼管
STPG370
STPG410
圧力配管に用いる。亜鉛めっきの有無に応じて黒管と白管がある。
配管用アーク溶接
炭素鋼鋼管
STPY400 低圧の蒸気・水・ガス・空気などの配管に用いる。

4:合金鋼鋼管(合金鋼管)

合金鋼は、炭素鋼にクロム、ニッケル、モリブデンなどを添加した鋼です。合金元素の含有量に基づいて、低合金鋼、中合金鋼、高合金鋼の3つに分類されます。低合金鋼は合金元素の合計量が5%以下、中合金鋼は5~10%未満、高合金鋼は10%以上です。合金鋼鋼管は低温・高温に強いため、熱交換用の配管システムや、加熱炉などで利用されています。表2に、主な合金鋼鋼管を示します。

表2:主な合金鋼鋼管
名称 略号 規格の概要
配管用合金鋼鋼管 STPA(高温用)
STPL(低温用)
高温用と低温用(氷点下)の2種類があり、用途に応じて使い分ける。
ボイラ・
熱交換器用合金鋼管
STBA 熱伝達用(配管内部の流体と外部の間で熱交換を行う)に用いる。
低温熱交換器用鋼管 STBL 内部流体が氷点下で熱交換を行う場合に用いる。
加熱炉用鋼管 STFA(モリブテン鋼鋼管)
SUS304TF(オーステナイト系ステンレス鋼鋼管)
NCF800TF(ニッケルクロム鉄合金管)
石油精製所などの加熱炉で、流体加熱に用いる。

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2. 非金属管の種類と特徴

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