IP技術:ネットワークの基礎知識3

ネットワークの基礎知識

更新日:2022年4月22日(初回投稿)
著者:愛知工科大学 工学部 情報メディア学科 教授 宇野 新太郎

前回は、LANの基礎知識を紹介しました。今回は、IP技術を取り上げます。インターネットの基本技術として、TCP/IPが知られています。TCPは、送信元のコンピュータと送信先のコンピュータの間で、データが正しく来ているか調べるものです(次回、詳しく説明します)。また、IP技術は、送信元からデータを相手まで届けるために、複数のネットワークをつなげて最適な経路を求める基本技術です。

1. IPとは

IP(Internet Protocol)とは、インターネットで広く使われているTCP/IPにおいて、データ転送の基礎となるプロトコル(伝送手順)で、複数のネットワーク間のデータ伝送を実現します。この複数のネットワークを越えてデータ転送を行う機能を、ルーティング、または経路制御といいます。また、この機能を持つ装置を、ルータ(またはスイッチ)と呼びます。

図1に、ルータを介して複数のネットをつなぐイメージを示します。IPをもとに、ネットワークとネットワークの経路制御(ルータにつながるネットワークのうち、どれを使用するかを決めること)を行うのがルータです。

図1:ルータを介して複数のネットをつなぐイメージ

図1:ルータを介して複数のネットをつなぐイメージ

図2は、端末Aから端末Bへデータを送る際の経路を示したものです。図2の左では、各ルータによって、経路1→3→6→9→11が選ばれています。例えば、図2の右のように、途中のネットワーク6に障害が発生したとしても、ルータはその障害を検知し、ネットワークを7に切り替えることで、経路1→3→7→10→11を選んで端末Bにデータを送ることができます。

図2:ルータの役割

図2:ルータの役割

2. IPアドレス

IPアドレスとは、経路制御を行うために、それぞれのホストに一意の番地を付けたものです。インターネット上の住所のように、スマートフォンや、PCなどネットワーク上の機器に割り当てられています。前回、LANの中で説明したMACアドレスは、1つ、あるいは複数のLANの中で使用されるものです。これに対し、IPアドレスは、全てのネットワークに共通に使われます。逆にいうと、IPアドレスがないと、送信元コンピュータから、送信先コンピュータへ複数のネットワークを経由して送ることができません。

現在、IPアドレスのバージョンには、IPv4、IPv6があります。このうち、多く普及しているIPv4では、IPアドレスとして32ビットの整数を利用します。表記としては、小数点付き10進法が多く用いられます。これは、32ビットを8ビットずつ4つに区切り、それぞれを10進数(0~255)で表記したものをピリオドでつないだ表記方法です。例えば、IPアドレスが192.168.10.32の場合、図3のような形で表現されます。

図3:IPアドレスの構成例

図3:IPアドレスの構成例

IPアドレスは、それぞれのネットワークの番地を示すネットワークアドレス部と、ネットワーク内にあるホスト(コンピュータ)の番地を示すホストアドレス部の2つの部分から構成されます(図4)。この場合、ネットワークアドレス部とホストアドレス部はどのように分けるのでしょうか。IPv4では、ネットワークアドレス部を8ビット、16ビット、24ビットとした場合、それぞれをクラスA、クラスB、クラスCと呼びます。以下に、IPアドレスのフォーマットを示します。

図4:IPアドレスのフォーマット

図4:IPアドレスのフォーマット

クラスA、クラスB、クラスCのネットワーク数、およびネットワーク当たりのホスト数は、以下のとおりです。

  • クラスA:126ネットワーク、ネットワーク当たり1,600万ホスト
  • クラスB:16,382ネットワーク、ネットワーク当たり60,400ホスト
  • クラスC:200万ネットワーク、ネットワーク当たり254ホスト

なお、クラスA、クラスB、クラスCの1ビット目、2ビット目、3ビット目は、図4のように固定ビットとされています。このことから分かるように、クラスAは大規模ネットワーク、クラスBは中規模ネットワーク、クラスCは小規模ネットワークに用いられるアドレスです。

3. サブネットマスク

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