機械製図の3つの役割:機械設計の基礎知識4

機械設計の基礎知識

更新日:2017年6月22日(初回投稿)
著者:関東学院大学 理工学部 機械学系 専任講師 西田 麻美

機械設計において、図面は命令書であり、契約文書です。製作側は図面の指示に従う義務を負い、勝手な判断で処理・加工した場合には契約違反と見なされます。設計者側は発行した図面に対して、円滑に製作できるよう、最後まで責任を持つ使命があります。今回は、このような解釈で、製図が果たす3つの役割について説明します。

1. 機械製図の3つの役割

機械製図は、機械設計において最も重要な業務の一つです。なぜならば、製図は以下の3つの役割を担っているからです。

  • 1:設計力を養う
  • 2:第三者に情報を伝える
  • 3:記録して残す

製図は、上記の3つの役割を通じて、機械設計者に多くの学びを与えてくれます。モノづくりは一朝一夕で構築できるものではないため、機械設計者は、機械設計のあり方について学び続けながら、自身の啓発・成長を重ねる必要があります。製図は、その学びにおいて大きな役割を担っています。

図1:機械製図の3つの役割

1:機械製図の3つの役割

2. 設計力を養う

機械製図の1つ目の役割は、設計者の設計力を養うことです。機械設計では、仕様を整理して一つの考えにまとめるというプロセスがあります。このプロセスにおいて、製図は考えの整理と視覚化に役立ちます。実際に機械を作る前に、紙やパソコンで機械設計を検討することで、課題を見つけて問題の発生を減らすことができます。

注意点として、若手の機械設計者は、パソコンに頼りすぎてはいけません。今日では、設計に携わる技術者の多くが、CADで製図を行っています。3D CADの普及により、立体的な感覚で製図できるようになり、手書きで図面を描くことは少なくなりました。しかし、デジタル化が進んで便利になっても、それだけでは解決・効率化できない問題は必ず残ります。図面を手書きで描くことで、デジタルでは解決できない問題について考え、解決する力を養うことができます。具体的には、デザインプロセスや空間認識力、実務設計力やエンジニアセンスなどです。また、先人の図面の描き方、考え方、アプローチから良い技術を継承することで、自由な思考や引き出しを増やすことができます。

機械設計は、イメージという抽象的な状態を製図で収束・具体化することで、製品を誕生させます。この作業は人間が考え、行うべきことです。ポンチ絵も描けず、パソコンや電気がなければ何もできない技術者になってはいけません。便利さに甘えることなく、設計力に磨きをかけましょう。

3. 第三者に情報を伝える

図面は、設計者と第三者との情報伝達を、容易かつ確実に行うためのツールであり、工業上では万国共通の言語です。そのため、製図には基本的なルールがあり、図面に関わる者はそのルールを身に付けることが必要です。

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4. 記録して残す

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