機械設計に必要なスキルと知識:機械設計の基礎知識3

機械設計の基礎知識

更新日:2017年6月9日(初回投稿)
著者:関東学院大学 理工学部 機械学系 専任講師 西田 麻美

機械設計は、医学と同じく実学であり、人の役に立つということが最も大事です。機械の評価や顧客対応は設計と同じくらい重要な業務であり、現場に出ることで分かる技術やコツがあります。そのため、机上の知識に加え、現場で冷静に対応するための実務能力を身に着けることも大事です。今回は、一般的な設計工程において必要なスキルと知識について、詳細設計、基本設計、構想設計に分けて説明します。

1. 詳細設計に必要なスキルと知識

詳細設計は、新人設計士の登竜門です。基本設計や構想設計などで検討されたデータに基づき、組立図を製作します。そして、組立図を用いてバラシ(部品図の製作)作業を繰り返し、設計技術や技能を習熟していきます。

詳細設計では、機械製図、材料、加工の知識と、CAD(Computer Aided Design)などの道具を使いこなせる技能(テクニカルスキル)が必要です。実践から学べることは、JIS・業界規格・企業規格の指示、寸法の入れ方、表現方法、BOM(部品管理表)の作り方など、多岐にわたります。上司または責任者から図面の承認が下りた後は、加工業者や取引先に自ら手配し、折衝します。部品によって求められる精度や製作方法は異なります。そのため、加工機や加工方法の知識も必要です。たとえば、筐体設計を担当するならば、板金・金型・射出成形などのノウハウが要求されます。駆動設計であれば、動きに関する公差や部品干渉、熱、表面処理、電気の知識などが必要です。

詳細設計の段階では、周囲と連携を取りながら、先輩技術者と一緒に試行錯誤することが重要です。設計意図を理解し、先輩技術者の補完やカバーができるようになると、一人前の設計者として認められ、設計業務が楽しくなります。

2. 基本設計に必要なスキルと知識

機械設計は、設計する物によって、機構設計と構造設計に分けられます( 図1)。動きのある物の設計は機構設計であり、メカトロニクスや駆動系の設計が含まれます。動きのない物の設計は構造設計であり、部品や筐体の設計が含まれます。しかし、機構設計と構造設計の違いは明確に定義されておらず、また設計によって重なる部分があるため、はっきりと区別することはできません。

図1:機構設計と構造設計

図1:機構設計と構造設計

基本設計では、構想設計で提案された機構や構造の価値の妥当性を、数値や単位を扱って検証します。いわゆるエンジニアリングです。その際、機械系の基礎である4力(よんりき)や制御工学などを駆使します。4力とは、「材料力学」「機械力学」「流体力学」「熱力学」を指します。

構造設計で行う機械の強度や剛性の検討は、材料力学を用います。材料内部に生ずる応力(材料の抵抗力など)を解析し、部材や部品の寸法・形状を決定します。また、熱や流体力学の観点から、構造の形・材料を選び、妥当な数値を算定することも重要です。機構設計では、メカの運動を検討し、機械がロスなく動けるかなどを確認します。ベルト、チェーン、ギア、カム、リンクなど機械要素の組み合わせの確認や、機構に生じる振動、速度、加速度、力の検証などを行います。また、複雑で精度の良い動きを達成するには、他部署との連携が必要です。他部署の技術者と話し合うためにも、メカトロニクスや制御の知識が欠かせません。

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3. 構想設計に必要なスキルと知識

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