顧客重視のマーケティング:マーケティング戦略の基礎知識3

マーケティング戦略の基礎知識

更新日:2022年2月4日(初回投稿)
著者:若井テクノロジオフィス代表 第一工業大学 元教授 若井 一顕

前回は、マーケティング戦略で用いられる各種の分析方法について説明しました。今回は、顧客重視のマーケティングと題して、市場に新製品を出していく企業の取り組みを考えていきます。企業の得意とする技術を前面に押し出すだけでは、市場(顧客)は受け入れないかもしれません(プロダウトアウト)。それに対して市場のニーズを分析調査して、顧客の求めるものをタイムリーに提供すれば売れ行きもよくなるでしょう(マーケットイン)。要は、顧客のニーズと自社のコア技術をしっかり見定めることが必要です。

1. 顧客重視とは

顧客重視とは、顧客が求めているものを調査し、それに基づいた製品を開発するマーケティング手法です。マーケットインともいいます。顧客にとって何が必要か、また多様化するニーズは何かなどを探ることが重要です。

ISO品質マネジメント7原則(ISO9001)では、以下の7項目から構成されており、第一原則に顧客重視があります。

  • 1:顧客重視
  • 2:リーダーシップ
  • 3:人びとの積極的参画
  • 4:プロセスアプローチ
  • 5:継続的な改善
  • 6:客観的な事実に基づく意思決定
  • 7:関係性管理

1:顧客重視には、「組織はその顧客に依存しており、そのために現在および将来の顧客ニーズを理解し、顧客要求事項を満たし、顧客の期待を超えるように努力すべきである」と定義されています。しかし、7:関係性管理では、「相互の関連するプロセスを一つのシステムとして明確にし、理解し、運営管理することが組織の目標を効果的で効率よく達成することに寄与する」と定義されています。

つまり、原則1では、企業に利益をもたらしてくれる顧客を重視し、企業は努力すべきであると説きながら、原則7では、プロジェクトに関わる人々が協力し合い目標を達成することが大切だといっています。プロジェクトに関わる人々とは、マーケティング用語で利害関係者(ステークホルダー)のことを指します。利害関係者には、顧客を含みます。その他、株主(投資家)、従業員、取引先・仕入先、地域社会・地域住民などの非常に広い範囲で関わる人たちも指しています(図1)。

図1:プロジェクトにかかわる多くの利害関係者の協力が必要

図1:プロジェクトにかかわる多くの利害関係者の協力が必要

ISO品質マネジメント7原則では、企業が顧客のために犠牲になるというのではなく、顧客の要望を徹底的に把握し、利害関係者たち全てと良い関係を築き、品質に反映するべきであると示しています。企業独特の伝統やルールを守ることに固執しすぎたり、競合他社への意識が強すぎても顧客重視は達成できず、品質を高めることもできません。

2. 顧客のニーズ、志向はどのように知ることができるのか?

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3. 顧客重視のメリットとデメリット

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