マーケティングと分析:マーケティング戦略の基礎知識2

マーケティング戦略の基礎知識

更新日:2021年12月2日(初回投稿)
著者:若井テクノロジオフィス代表 第一工業大学 元教授 若井 一顕

前回は、マーケティング戦略とは何か、という基本的な概念を説明しました。今回は、マーケティングで用いられている代表的なPEST分析、5フォース、3C分析、SWOT分析の4つの分析手法について解説します。

1. PEST分析

PEST分析とは、Politics(政治)、Economics(経済)、Social(社会)、そしてTechnology(技術)の4つの視点から、その業界を取り巻くマクロ環境(外部環境のうち、企業にとって統制不可能なもの)を分析するためのフレームワークです。4つの視点、それぞれの頭文字からPEST分析と呼ばれます(図1)。

図1:PEST分析の4つのステップ

図1:PEST分析の4つのステップ

・Politics(政治的要因)

政治的要因とは、政治の動向、法律や官庁の通達、業界団体の内規などの状況を分析することです。法律や法改正(規制、緩和)、税制や減税、増税、政治や政権交代、などがこれに該当します。現在の状況を見ると、2019年から世界を揺るがしているコロナ禍への対応なども該当しているといえるでしょう。

・Economics(経済的要因)

経済的要因とは、インフレ・デフレ、景気の動向や為替・金利などの金融、経済状況などを分析することです。失業率が上がることは経済全体にとってはマイナス要因と思われるものの、ビジネスチャンスと捉えることも考えられます。

・Social(社会的要因)

社会的要因とは、流行・価値観・生活様式、人口構造の変動、さらには宗教・倫理など人々の行動、購買に影響を与える要因を分析することです。例えば、日本の少子高齢化は、社会問題化していつつも、シルバービジネスにとっては大きなチャンスと考えることもできます。社会環境の変化を分析して、嗜好(しこう)や価値観など、従来の高齢者と比べてどう変化しているかなどを把握し、対応することが求められます。

・Technology(技術的要因)

技術的要因とは、技術革新などの視点で、自社・業界に影響を与える技術的要因は何かを分析することです。現在使われている技術に置き換わるような技術動向の有無を確認しておき、必要があればそれを取り込んだり、防御方法を考えたりする必要があります。現代では、IoT、AI、ビックデータ、5G、そしてDXでしょうか。こういった技術の進歩は市場変化だけではなく人手不足の解消や人員削減など労働環境にも大きな変化を与えています。

PEST分析をするには、単に事実を羅列するのではなく、常にその事実が自社にどのような影響を与えるか、そして今ある仮説に対しプラス・マイナスのどちらに働くかを考えながら分析していくことが必要です。

2. 5フォース

5フォース(5つの力)分析は、ハーバード大学のマイケル・ポーターによって提唱された、業界の魅力度を考えるためのフレームワークです。ここでいう業界の魅力度とは、収益を上げやすそうな業界か否か、ということを指しています。ポーターによれば、その業界の収益性というのは、新規参入の脅威、業界内の競争の度合い、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力という5つの力で決定されます(図2)。この考え方が提唱される前は、業界内での規模の大きさという狭い意味での競争だけで収益性が決まると考えられていました。これに対して、ポーターはより広く業界を捉え、買い手の交渉力、代替品の脅威などの直接的な競合以外にも、業界の収益性に影響を与えるものがあることを示しました。

図2:ファイブフォース

図2:ファイブフォース

・新規参入の脅威

新規参入の脅威とは、業界内に新たな企業が参入することで競争が激しくなるリスクのことです。業界に新たな企業が参入すると、競争が激化して収益性が低下します。特に、異業種からの参入がしやすい業界であれば、多くの参入者が現れて価格競争が起こり、そのたびに収益性が下がっていくことになります。一方、参入が難しい業界であれば、一定以上の収益性を確保しやすい業界であるということになります。新規参入の脅威を考える場合、市場の規模や、参入者の技術レベルやブランド力などが自社の活動にどれほどの影響を与えるかを検討することが必要です。

・業界内の競争

業界内の競争とは、競合他社との競争をいいます。競合他社が多ければそれだけ競争は激化し、収益性は下がります。業界内の競合が激しい場合は、他社との差別化や価格戦略などが求められます。競合他社の数とブランド力や資金力だけでなく、業界全体の規模や成長率なども分析対象となります。

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3. 3C分析

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4. SWOT分析

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