さまざまなISOマネジメントシステム規格:ISOマネジメントシステムの基礎知識4

ISOマネジメントシステムの基礎知識

更新日:2016年7月8日(初回投稿)
著者:一般財団法人日本品質保証機構 マネジメントシステム部門 企画センター 仲矢 新

前回は、ISO 9001の審査の流れについて説明しました。今回は、ISO 9001以外のISO規格を紹介します。ISO 9001が1987年に発行されて以来、ISO 14001(1996年)やISO 27001(2005年)など、さまざまな分野のISOマネジメントシステム規格が発行されています。ISOマネジメントシステム規格は、大まかに次の4つに分類できます。

品質に関する規格 ISO 9001(品質マネジメントシステム:QMS)、
業界ごとの品質規格としてのISO/TS 16949(自動車業界)、
ISO 13485(医療機器・医薬品)など
環境に関する規格 ISO 14001(環境マネジメントシステム:EMS)、
ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム:EnMS)
セキュリティに関する規格 ISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム:ISMS)、
ISO 22301(事業継続マネジメントシステム:BSMS)など
安全(Safety)に関する規格 ISO 22000(食品安全マネジメントシステム:FSMS)、
ISO 39001(運輸安全マネジメントシステム)など

1. 環境マネジメントシステム(ISO 14001)

ISO 9001に次いで広く普及しているのが、「環境マネジメントシステム」ISO 14001です。ISO 9001が、顧客(消費者)に届ける「製品やサービスの品質」を管理するのに対して、ISO 14001は、利害関係者(社会一般)に対して「組織の環境保護活動」を証明するためのマネジメントシステム規格です。組織はISO 14001の認証を取得することによって、「成長」と「環境保護」を両立させるために「持続可能な開発(Sustainable Development)」に前向きに取り組んでいることを社会に表明できます。このため、ISO 14001は環境への負荷が大きい企業を中心に、世界中に広まっています。

ISO 14001の全体的な構成は、ISO 9001とほぼ同じです。ただし、2つの重要な相違があります。1つは「環境側面の管理」です。「側面」は「Aspect」の日本語直訳です。すなわち、「環境に影響を与える原因としての活動や状況」を意味しています。「環境影響評価」という一種のリスクアセスメントを実施することにより、優先的に管理すべき内容(著しい環境側面)を決定することが、ISO 14001の基本になります(図1)。

環境側面と環境影響

図1:環境側面と環境影響

ISO 14001のもう1つの特徴は、「環境法規制遵守」です。ISO 9001では、製品種別ごとの法規制が千差万別です。これに対し、環境法は各国で独自の規制体系があり、いかなる組織でも国の環境法規制に対する法令遵守(コンプライアンス)を意識せざるを得ません。特に環境負荷の大きい副生成物を排出する企業は、神経質なまでにコンプライアンスを管理する必要があります。これがISO 14001を運用する理由の1つといえます。

このように、著しい環境側面やコンプライアンス(主として法規制)、およびその他のリスク(悪影響と好影響)について、計画を立てて実施する組織独自の環境配慮活動が「環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)」です。その活動結果について、最終的にマネジメント・レビューで経営者の判断を仰ぐところは、ISO 9001など、その他のマネジメントシステムと共通しています。

2. 情報セキュリティマネジメントシステム(ISO 27001)

世界中の認証件数を比べた場合、「情報セキュリティマネジメントシステム」ISO 27001は、ISO 9001、ISO 14001に次いで、3番目に普及している規格です。ISO 9001やISO 14001と同様に、英国の国家規格として始まりました。日本では、コンピューターシステムの安全対策に関する認定制度(後のISMS適合性評価制度)に採用されたことから大々的に普及し、日本における認証件数は世界でも抜きんでています。ISO 27001規格の初版は2005年の発行ですが、日本のISMS適合性評価制度は、2002年から運用されています。

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3. 安全に関するマネジメントシステム規格

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4. ISOマネジメントシステム規格の共通化

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