IoTクラウドの基礎知識:IoTの基礎知識5

IoTの基礎知識

更新日:2020年10月16日(初回投稿)
著者:株式会社CAMI&Co. 代表取締役社長 神谷 雅史

前回は、IoTの世界で広く活用されている長距離通信規格LPWAについて解説しました。今回は、IoTクラウドの基礎知識を、事例を交えて紹介します。

1. クラウドとは

クラウドとは、さまざまな場所に設置されたIoT機器からデータを一元管理する、巨大なデータ集積所です。とはいえ、それが単にストレージとしての機能のみでないことは、皆さんご存じのとおりです。クラウドは同時に、仮想マシン(コンピューティング)、アプリケーション、データベース、データ分析といった数々のITリソースを、オンデマンドで提供します。一般的に、このような機能をクラウドで利用することを「クラウド・コンピューティング」と呼びます。

2. クラウドの種類

世界的に有名な巨大IT企業をはじめ、さまざまな企業がクラウドサービスを提供しており、代表的なものにGoogle Cloud Platform、Amazon Web Service(AWS)、Microsoft Azureがあります。表1は、それらが提供するサービスをデータ分析の面で比較したものです。これを見るとそれぞれに特徴があり、得意不得意があるのが分かります。例えば、課金方法では、Google Cloud Platformのようにクエリー(コマンド)単位で課金するサービスもあれば、AWSのようにクエリー後、クラウド側で処理を走らせる計算リソースへ課金する場合もあります。

表1:クラウドサービスにおけるデータ分析サービスの違い、JIG-SAW株式会社「Google Cloud Platformの基礎知識」をもとに作図(引用:神谷雅史、最新図解で早わかり IoTビジネスがまるごとわかる本、ソーテック社、2019年)

  Google clound
Platform
Amarzon Web
Service
Microsoft Azure
サービス名 BigQuery Redshift SQL Dataware House
情報 計算リソースの準備が必要 計算リソースの準備が必要 計算リソースの準備が必要
課金方式 クエリー単位の課金 計算リソースへの課金 計算リソースへの課金
チューニング 完全マネージドなため、チューニングは不要 チューニングが可能 チューニングが可能
性能 ニアリアルタイムな
高速処理
性能を変更可能 性能を変更可能

どれを選択するかは、どのようなIoTサービス・製品を作っていくかによって変わってきます。その一例として、メルカリの活用事例を紹介しましょう。フリマアプリで有名なメルカリは、日本発のサービスとしては、どこよりも早く世界市場に打って出たことでも知られる企業です。Google Cloud Platform Japan Blogに掲載された記事によれば、それまで利用していた他社のデータ分析サービスからGoogle BigQueryに乗り換えたところ、クエリーを実行した時のレスポンスが大幅に改善されたといいます。具体的には、それまで「5分から10分待たされるのが当たり前」だったクエリーの実行が、BigQueryでは「即座に返事が返ってくる」というレベルにまで向上しました。これにより作業効率が大幅に上がり、アメリカ市場で一定の成果を出せたのです。フリマアプリの海外市場拡大を目指す同社にとって、大きなパフォーマンスの向上につながったのはいうまでもありません。それに加え、自社のサービスに適したクラウドサービスを選択することで、作業効率のみならず「サービス・商品の質の向上」につながることまでもが期待されます。

3. IaaS、PaaS、SaaS:クラウドサービスの種類

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4. 価値の創出

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