照明器具:照明の基礎知識3

照明の基礎知識

更新日:2023年1月16日(初回投稿)
著者:放送大学奈良学習センター 所長 特任教授 井上 容子

前回は、光源(自然光源と人工光源)について解説しました。今回は、照明器具を取り上げて、その種類や効果、機能などを紹介します。照明器具の基本的かつ重要な役割として、配光制御があり、光を得たい面に効率的に光を集中させます。今日では、グレア(まぶしさや見えにくさを生じさせる現象)の防止や空調器機などの設備との一体化、梁(はり)などの建築要素への組み込み(建築化照明)の他、タイマやセンサ、調光調色装置との組み合わせなど、視環境全体に対する光の時間的・空間的分布の適正化へと、その役割と機能は拡大し続けています。

1. 照明器具とは

照明器具は、日本工業規格JIS Z 8113(照明用語)において、「ランプからの光を分配、透過又は変化させ、かつ、ラ ンプを支持、固定し、保護するために必要な部材と電源に接続する手段並びに必要に応じて点灯補助回路をもつ装置。ただし、ランプは含まない。」と定義されています。その機能は、次の3つに大別されます。

  1. 1:光源からの光を制御する光学的機能(配光、光量、光色の制御)
  2. 2:光源を保持・保護する機械的機能
  3. 3:電気エネルギーを制御する電気的機能(電源への接続、点灯、調光・調色)

つまり照明器具とは、光の方向性や拡散性など光源の配光、輝度、光の色などを変換制御し、目的に応じた光を空間に供給する、さらに光源の固定や保護、電源への接続や点灯をする装置のことといえます。

2. 照明器具の種類

照明器具は、多様で多岐にわたるために一義的な分類が難しく、さまざまな観点からの分類がなされます。代表的な分類の観点として、使用ランプ、性能・機能、取り付け方法・位置、形状が挙げられます。

  • 1:使用ランプ
    使用ランプによる分類では、ランプ名称が冠され、蛍光灯照明器具、LED照明器具などと分類されます。より詳細には、名称に加えて大きさ(ワット数)、搭載可能ランプ数、更には取り付け方法や器具形状なども反映されます。例えば、高周波点灯形蛍光ランプ(FHF)32Wのものを2本搭載する取り付け方法が埋込み形の器具であれば「FHF32形2灯用埋込み形器具」、取り付け器具の形状が逆富士形であれば「FHF32形2灯用逆富士形器具」などと称されます。
  • 2:性能・機能
    性能・機能による分類は、照明器具の選定者や使用者にとって有効です。性能には、質量(重さ)、器具効率(消費エネルギー)、光束(光量)、相関色温度(光色)、演色性などがあります。機能は、配光、調光・調色、感電保護・防爆・防塵(じん)、防水などです。

    平均演色評価数Raが90以上の高演色形照明器具、光源からの直接光で照らす直接照明器具、天井や壁などで反射させた間接光を利用する間接照明器具、空調用の吹出口などと一体化した空調照明器具、不慮の災害の時に速やかに点灯する非常用照明器具、特殊なものとして防爆照明器具、防塵照明器具、防水形照明器具、水中照明器具などがあります。
  • 3:取り付け方法・位置
    取り付け方法・位置による分類は、照明器具の施工者にとって有効です。取り付け方法での分類には、埋込み形照明器具、直(じか)付け形照明器具、吊(つ)り下げ形照明器具、自立型照明器具(スタンド)などがあります。位置では、天井灯(シーリングライト、ダウンライト)、壁灯(ブラケット)、フロアスタンドなどがあります。
  • 4:形状
    形状、つまり器具外観による分類は、視覚的にも直感的にも分かりやすいため、製造者から使用者まで幅広く使われています。この分類には、代表的な呼称として、シャンデリア、ペンダント、シーリングライト、ブラケット、ダウンライト、スポットライト、投光器、ポール灯、スタンドなどが挙げられます。形状だけでなく、性能・機能や取り付け方法・場所が反映された名称も少なくありません。表1に、照明器具の一例を示します。

表1:照明器具
表1:照明器具

3. 配光の分類

照明器具の光学的特性は、反射材料と拡散材料を組み合わせることで、光源は同じであっても多様に変化します。照明器具からの光は、周囲に均等に発散されるのではなく、下方光束が多いもの、側方光束が多いもの、上方光束が多いものなど、さまざまな特徴があります。

配光とは、照明器具の各方向に対する光度(発散光束の立体角密度)の分布をいいます。表2に、配光の分類を示します。直接間接照明器具は、横方向への発散光束が少ないことで全般拡散照明器具とは異なるものの、CIE(国際照明委員会)では全般拡散照明器具に分類されています。

表2:照明器具の配光による分類
表2:照明器具の配光による分類

図1に、配光の例としてBZ分類を示します。BZ分類とは、イギリスの照明学会において、照明器具を配光により10種類に分類したものです。関数で表示されているため、さまざまな予測計算を比較的容易に行うことができ、照度分布やグレアなどの計算に用いられています。図1に示す配光曲線は、極座標表示によるもので、配光特性の最も一般的な表示方法です。他にも、光度の読み取りが容易な直角座標表示、全断面の配光表示ができる正弦等光度図、道路灯の設計に便利なランベルト等光度図などがあり、目的に応じて使い分けられています。

図1:照明器具の配光(BZ分類)
図1:照明器具の配光(BZ分類)

4. 配光の制御(取り付け器具、ランプシェード、建築化照明)

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5. 配光による照明効果

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6. 照明器具の電気的操作機能(タイマ、センサ、調光調色)

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