ヒューマンエラーとヒヤリ・ハット:ヒューマンエラーの基礎知識2

ヒューマンエラーの基礎知識

更新日:2017年8月25日(初回投稿)
著者:伊藤コンサルティング 伊藤 良太

前回は、ヒューマンエラーの基本について説明しました。ヒューマンエラーの防止には、ヒヤリ・ハットの対策が欠かせません。今回は、ヒューマンエラーとヒヤリ・ハットについて解説します。

1. ヒヤリ・ハットとインシデント

ヒヤリ・ハットとは、作業や業務を行っている際に重大なミスや事故に直結しそうな事象を発見することで、文字通り「ヒヤリとする」「ハッとする」状態を表します。トラブルや事故までに至っていません(図1)。

図1:ヒヤリ・ハット

図1:ヒヤリ・ハット

ヒヤリ・ハットと似た言葉にインシデントがあります。同義ではないことに注意しましょう。JIS Q 22300 社会セキュリティーによると、インシデントは「中断、阻害、損失、緊急事態又は危機になり得る又は引き起こし得る状況」と定義されています。また、OHSAS 18001 労働安全衛生マネジメントシステム規格によると、インシデントは「負傷又は疾病、若しくは死亡災害を引き起こす、又はその可能性がある作業に関連する事象」と定義されており、「発生事象」として実際に起こった事故も含みます。すなわち、この規格の場合、インシデントは事故までに至っていない事象(ヒヤリ・ハット)に加え、発生してしまった事故・トラブルの事象を含みます。ヒヤリ・ハットを管理するためには、ヒヤリ・ハットについての統一した認識が必要です。業務や作業を行う人(以下スタッフ)の間でどこまでをヒヤリ・ハットとして捉えるか、認識の違いがないよう注意しましょう。

2. ヒヤリ・ハットとハインリッヒの法則

ヒヤリ・ハットを理解する上で重要なのが、アメリカの安全技師だったハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが提唱したハインリッヒの法則です。この法則は1:29:300の法則とも呼ばれています。1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件のヒヤリ・ハットがあるという内容です(図2)。つまり、1件の重大事故や29件の軽微な事故を防ぐためには、その背後にある300件のヒヤリ・ハットをなくすことがポイントです。

図2:ハインリッヒの法則

図2:ハインリッヒの法則

3. ヒヤリ・ハット活動とは

ヒューマンエラーによる事故やトラブルを未然に防ぐには、ヒヤリ・ハットの段階で対策する必要があります。対策を講じるために、ヒヤリ・ハット活動で、どのようなヒヤリ・ハットが発生しているのかを把握しましょう。ヒヤリ・ハット活動とは、作業スタッフが体験したヒヤリ・ハットの情報を集め、同じ業務を行う他のスタッフへ情報を共有し、事故防止の対策を打つ活動です。

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4. ヒヤリ・ハットと危険予知トレーニング

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