ふるいの選び方:装置・機器の選び方の基礎知識

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更新日:2015年4月(初回投稿)
著者:トリプルエーマシン株式会社 代表取締役 博士(工学) 石戸克典

1. はじめに

粉体の粒度を揃えることを目的に、粒子径によって粉体を分ける操作を粒度分級といいます。この粒度分級の操作は、ふるい分けと流体分級に大別することができます。広義の分級にふるいを含めることもあります。

ふるいの一番の特徴は、粉体が球形であれば、粗粉が微粉側に混じらないということです。ふるい網の開口がどれだけ均一かによって性能が決まり、また使用中に網の開口が変われば製品品質に直接影響があること、また網の破れは、致命的な品質トラブルとなることを踏まえておく必要があります。

2. ふるい・シーブ・シフター

一般に、ふるいは工業生産レベルでは100μm 以上の粒度分けに適しているといわれています。

そして、半田粉などの金属球状粉の37~44μmカット程度までであれば、分級機と同等以上の性能を発揮することが知られています。最近では、16μm開口の金網も生産されており、分級機と比較検討されるケースが、出てきました。

9種類の代表的なふるい分け装置を紹介します。

種類方式特徴取扱メーカー
ジャイロシフター・ 乾式
・ 円形運動による網可動式
・ 網目詰まり防止方式
(タッピングボール使用)
・ 重力落下方式
大型化が可能な連続式のシフター。駆動装置の周囲4ヶ所にサポードロッドが取付けられ、ふるい分け部全体に均一な旋回運動をする徳寿工作所など
スクエアシフター・ 乾式
・ 円形運動による網可動式
・ 網目詰まり防止方式
(シーブクリーナー利用)
・ 重力落下方式/インライン式
アルミフレームの枠を使った製品が代表的。天井から吊り下げる方式か、下部に回転駆動部を持つ方式。粉体の連続ふるい分け処理に利用され、2~4種類の網を使ったフラクション分けにも使われる。東京製粉機など
トゥル―バランス・シフター・ 乾式
・ 円形運動による網可動式
・ 網目詰まり防止方式
(ウレタンボール・キューブ使用)
・ 重力落下方式/インライン式
バランスウェイトが2個シフターの外側に設置され、重力の中心がバランスウェイトの線上に位置する完全なバランス状態で回転旋回運動を行える理想的な駆動方式。虫などをそのままの形態で異物除去をする必要があるときに最適。

30メッシュ(600ミクロン開口)のナイロン網を使うと虫を取り除けることから、食品粉体の異物除去用として多くの工場で使用されている。受入サイロから混錬ミキサー送りの空気輸送の途中などに設置されることが多い。

日清エンジニアリングなど
(米国グレートウェスターン製)
円形振動ふるい・ 乾式
・ 振動機による網可動式
・ 網目詰まり防止方式
(シーブクリーナーなど使用)
・ 重力落下方式
粉体を手投入や機械投入するときなどに、紙袋などの異物を除去しつつ粉体をふるって投入するときに最適。包装前の最終ふるいにも利用される。ダルトン
晃栄産業
アイシン産業
興和工業所
月島テクノマシナリー
ユーラステクノ
西村機械製作所
米国ケイソン
筒井理化学器械など
振動モータ同期ふるい・ 乾式
・ 振動機による網可動式
・ 網目詰まり防止方式
(ウレタンボールなど使用)
・ 重力落下方式
2台の振動モータを装備することにより、網面に対して一定角度の直線運動を与え、処理物は排出方向に向かって飛び跳ねながら移動し、効率よくふるい分けを行える。大量処理向き徳寿工作所など
エアジェットシーブ・ 乾式
・ 網固定式
・ 網目詰まり防止方式
(エアジェット使用)
・ 重力落下方式
試験室などで、乾式粒度測定に利用されることが多い。大型になると、バッチ連続で生産用ふるい分け装置として使われることもあるホソカワミクロン
ユーグロップなど
ブロワシフター・ 乾式
・ 網固定式
・ 網目詰まり防止方式
(強制かくはん・エアジェット使用)
・ 重力落下方式/インライン式
繊維を含む粉体を分散しながらふるう時や金属粉のふるい分けによく利用されている。ユーグロップ
東洋ハイテックなど
スラリースクリーナ・ 湿式
・ 網固定式
・ 網目詰まり防止方式
(強制かくはん利用)
・ 重力落下式
湿式で、網を使いスラリー(泥しょう)を連続的にこすときに使用される。ユーロテック
アコーなど
円形強制ふるい・ 乾式
・ 網固定式
・ 網目詰まり防止方式
(強制かくはん利用)
・ 重力落下式/インライン式
粉体を分散・解砕しながらふるう時に最適。食品粉体などの異物除去用に使うときは、ビーターや撹拌羽根による網破れの可能性がある。網の破れの検知方法や網の点検周期を事前によく詰めておく必要があるツカサ工業
東洋ハイテック
フロイント・ターボ
徳寿工作所
東京製粉機
ビューラ―
ゼッペリンライメルト
AZOなど

図1:円形強制ふるいイメージ

図1:円形強制ふるいイメージ

3. 工程内の防虫・異物対策とインライン異物除去装置

小麦粉やミックス粉、でん粉などの食品粉体の異物除去装置として、インライン・シフターがよく使われています。

食品粉体を空気輸送する各製造工程中に設置する場合、重力落下中に設置する場合に比べて、インライン式の方が総機器点数が少なくなり、異物管理ポイントが減ることから、最近注目されています。

空気輸送ライン中に配置できるふるい装置で、最大550kg/分(33t/時、強力小麦粉ベース)の処理が可能(30メッシュ、600μm の目開き)な機種もあり、アメリカ製パン業衛生標準委員会(BISSC)の衛生基準適合証明書付きの装置も日本で販売されています。

4. 湿式フィルタリング

フィルターメディアを利用して液中の不要な粒子を除去し、清浄な液体を得るために利用されることが多いです。フィルターメディアの孔径以上の粒子を得るため、もしくは、水分を減らす脱水の目的にも利用されます。中空糸膜などが浄水設備や、排水・廃液処理で利用されています。