食品衛生法と食品添加物:食品添加物の基礎知識4

食品添加物の基礎知識

更新日:2018年4月18日(初回投稿)
著者:武庫川女子大学 生活環境学部 教授 松浦 寿喜

前回は、食品添加物のメリットとデメリットについて解説しました。今回は、食品添加物が食品衛生法上で、どのように分類されているのか、整理していきます。食品添加物が同法と厚生労働省によってしっかりと管理され、安全性を担保されていることを学びましょう。

1. 食品衛生法とは

食品衛生法とは、飲食によって起こる健康被害を防止するための法律です。食品や食品添加物の規格基準、表示方法、検査などを定めています。また、食器、調理具、容器、包装、乳児用おもちゃも、同法による規制対象です。

食品衛生法では、食品添加物を「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう(食品衛生法第4条第2項)」と定義しています。食品添加物は、内閣府の食品安全委員会による科学的な安全性評価を受け、人の健康を損なう恐れのない場合に限り、成分の規格や使用の基準を定めた上で、厚生労働省により使用を認められます。また、使用が認められた食品添加物についても、国民1人当たりの摂取量を調査するなど、安全確保の取り組みが行われています。

2. 食品衛生法と食品添加物の変遷

食品添加物という考え方が生まれたのは、1947(昭和22)年に、食品衛生法が施行された時でした(参照:第1回)。当時、食品添加物は化学合成で作られた合成添加物と、天然由来の成分から作られた天然添加物に区別されていました。合成添加物には厳格な検証・規制が義務付けられ、60種類のみが使用を認められました。一方の天然添加物については、ほぼ規制を設けられることなく、自由に使用できる状態にありました。

一般の消費者も、合成添加物は危険で、天然添加物は安全と思い込んでいました。確かに、しそを使って梅干しに色を付ける、くちなしの果実(図1)を使って栗きんとんに色付けをするなど、昔ながらの天然添加物の使用は、安全に思われます。

図1:くちなしの果実(左)とくちなしの乾燥果実(右)

図1:くちなしの果実(左)とくちなしの乾燥果実(右)

しかし、食品添加物の安全性を考える際は、継続摂取量の検証が不可欠です。くちなしの果実を使って、栗きんとんの色付けをするのは、せいぜい年に1度か2度のことでしょう。一方、くちなしの果実からクチナシ色素という着色料を生成し、いろいろな食品に日常的に利用するとなれば、話は変わってきます。年に1度摂取するのと、毎日摂取するのでは、摂取量が大きく異なります。長年の食経験があるから安全と、簡単には言い切れないのです。

また天然添加物の中には、安全の根拠とされる長期間の食経験がないものや、天然に存在するものは安全という全く科学的根拠のない考え方のもと、虫、藻、菌類、鉱物などに由来するものが存在しています。イメージだけで安全と判断せず、発がん性試験や催奇形性試験(妊娠している動物に検査物質を投与して、胎児への影響を調べる試験)などの試験を行い、安全性を確認しなければなりません。

そこで1995(平成7)年、食品衛生法の改正が行われ、天然由来の食品添加物についても、合成添加物と同様の安全性評価が義務付けられました。そして天然添加物のうち、科学的に安全性や有用性を確認できたものを、改正前の食品衛生法で認可されていた合成添加物と合わせて、指定添加物としました。また1995年の食品衛生法改正時点で、すでに使用実績はあったものの、十分に安全性を証明できていない天然添加物は既存添加物に分類し、適宜安全性のチェックを行っていくことになりました。

3. 食品衛生法上の食品添加物の4分類

食品添加物は、現在、食品衛生法で4つのカテゴリーに分類されています。指定添加物、既存添加物に、天然香料、一般飲食物添加物を加えた4つです。各項目を詳しく解説していきましょう。

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