PC(ポリカーボネート)とm-PPE(変性ポリフェニレンエーテル):エンジニアリングプラスチックの基礎知識3

エンジニアリングプラスチックの基礎知識

更新日:2016年11月24日(初回投稿)
著者:安田ポリマーリサーチ研究所 所長 安田 武夫

今回は、汎用エンプラのPC(ポリカーボネート)とm-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)の概要と用途を解説します。

1. PC(ポリカーボネート)

PC(ポリカーボネート)は、一般に二価のヒドロキシ化合物と炭酸の重縮合により得られるポリエステルです。1956年に独バイエル社で開発され、1958年に商業化が始まりました。PCは汎用エンプラの中で唯一透明性を有しています。優れた特徴(耐衝撃性、耐熱性、寸法特性、自己消火性、耐候性、使用温度が広範囲など)を生かし、電気・電子・OA、光メディア、自動車・車両、精密機器、医療・保安、建材、雑貨など非常に幅広い用途分野で使用されています。

表1:PC(ポリカーボネート)の用途例
分野 用途例
電気関係 家電部品(テレビ部品、ヘアドライヤハウジング、各種DVD)、電子通信用(リレーケース)、照明器具(LEDランプ、照明カバー)、ノートPCハウジング、携帯電話
機械部品 自動車・車両部品(ヘッドランプ レンズ、樹脂ウィンドウ、バイオPC製表示パネル)、光学機器(カメラボディ、双眼鏡部品)、OA機器部品(複写機構造部品)、その他機械部品(ポンプ部品、電動工具ハウジング)
雑貨関係 日用品(台所用品、ベビーカー部品)、文具(万年筆、鉛筆削り)、スポーツレジャー用品(キーゴーグル、空手・剣道防具)、その他(楽器、サンダル)
医療 人工腎臓ケース、各種人工臓器、目薬容器、注射筒、飼育箱
保安用具 工事用ヘルメット、保護眼鏡、消火器部品、道路びょう
シート・パイプ 車両の窓ガラス、高速道路防音壁、体育館などの窓ガラス、アーケードドーム、カーポートの屋根、ツインウォール、釣りざおケースなど
フィルム 包装用フィルム、コンデンサーベースなど

PC(ポリカーボネート)の用途代表例と採用理由

・ノートパソコンのハウジング

GF強化PCが使用されています。剛性、寸法精度・寸法安定性などのPCの優れた性質を生かしています。

・自動車の樹脂ウィンドウ

自動車で、今後需要増が期待されている用途です。採用理由は、透明性、耐衝撃性です。PCの問題点、耐候性と耐擦傷性の対策として、表面コーティングを施します。窓枠である他の材料と一体成形が可能です。

・スポーツ用のゴーグル

採用理由は、PCの透明性、耐衝撃性などです。実験などで使用する保護眼鏡もPCが使用されます。

・人工腎臓のハウジング

採用理由は、PCの透明性、安全性に加えて、蒸気やγ線で殺菌可能なことです。

日本のPC(ポリカーボネート)供給メーカー

日本でPC供給メーカーは、三菱エンジニアリングプラスチックス、帝人、出光興産、住化スタイロンポリカーボネート、SABICイノベイティブプラスチックス、コベストロ(旧バイエル)の6社です。

2. m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)

m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)は、主に耐熱性、力学的性質、電気的性質の優れた非晶性のPPE(ポリフェニレンエーテル)に成形性が良好なスチレン系樹脂、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)などをブレンドして製造します。

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