コンデンサ放電回路とトランジスタ放電回路:放電加工の基礎知識4

放電加工の基礎知識

更新日:2017年5月31日(初回投稿)
著者:工学院大学 先進工学部 機械理工学科 教授 武沢 英樹

前回は、形彫り放電加工機とワイヤ放電加工機の、構造および特徴を紹介しました。放電加工機は、絶縁液中で電極と工作物間を対向させ、微小な放電を連続発生させることで加工します。そのため、加工の精度や速度をコントロールするために、放電回路を理解することが必要です。放電回路には、従来用いられてきたコンデンサ放電回路と、最近主流のトランジスタ放電回路があります。今回は、これら2つの放電回路の構成と特徴を説明します。

1. コンデンサ放電回路の構成と特徴

コンデンサ放電回路は、トランジスタ放電回路と比べると簡単な構成をしていて、放電加工が開発された当初から用いられています。回路構成は図1に示すように、直流電源側の充電回路と、電極と工作物を含む放電回路から成り立ち、実際に加工が進行するのは放電回路側です。直流電源と抵抗、コンデンサによるシンプルな構成で、簡単に製作できるのが特長です。なお、図には放電回路側に回路のインダクタンス成分Lを記入しています。これは配線により生じるものであり、意図的にコイルを挿入するわけではありません。

図1:コンデンサ放電回路の構成

図1:コンデンサ放電回路の構成

コンデンサ放電回路の仕組みは、電気工学を勉強したことがある方であれば、電源スイッチを入れてからのコンデンサの両端電圧の変化や、放電が発生してからの電流波形などの過渡現象として理解できるかもしれません。ここでは、図2に示すように、簡略化した放電電圧波形と放電電流波形を使って説明します。

図2:コンデンサ放電回路の放電電圧波形と放電電流波形

図2:コンデンサ放電回路の放電電圧波形と放電電流波形

コンデンサの充電の状態は、電源電圧と充電回路の抵抗の大きさで決まります。電源スイッチを入れると、コンデンサは、電源電圧と同じ値まで徐々に充電されます。その後、電極と工作物間で放電が発生すると、電圧降下が起こり、同時に放電電流が流れ始めます。

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2. トランジスタ放電回路の構成と特徴

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