ダムの構造:ダムの基礎知識4

ダムの基礎知識

更新日:2021年12月3日(初回投稿)
著者:法政大学 デザイン工学部 都市環境デザイン工学科 教授 溝渕 利明

前回は、さまざまなダムの種類を紹介しました。今回は、ダムの構造について解説します。ダムの設計は、転倒しない、滑動しない、水圧で破壊されないという3つの原則に基づいて行われます。また、ダムの型式(フィルダム、コンクリートダム)を選定する条件として、周囲の岩盤の強さや地形が重要になります。建設するダムは、できるだけ少ない堤体積で、貯水量を多く確保できることが理想的です。ダムの建設に使用される材料には、土、土砂、岩石、コンクリート、アスファルト、ゴムなどがあります。

1. ダム構造の三原則

ダムはその完成後、上流側の貯水池から大きな水圧を受けることになります。ダムの設計では、この水圧に耐えられる構造にするための検討が、次に示す三原則を基に行われます(図1)。

図1:ダム構造の三原則

図1:ダム構造の三原則

原則1:転倒に関する検討

転倒に関する検討とは、水圧によって、ダムがひっくり返ってしまわないようするための検討です。ダムという巨大な構造物が転倒するわけがない、と思われるかもしれません。しかし、水の力というのは非常に巨大で恐ろしいものです。例えば、土石流などでは何十トンもある巨石が濁流に乗って、まるで小石のように移動してしまうのです。また、津波によって、鉄筋コンクリート製の建物や防潮堤である何千トンもの巨大ケーソンが転倒したり、何百トンもある船が海から数キロ離れたところまで運ばれてしまったりもします。従って、ダムに生じると想定される水圧の計算からダムの形状などを決め、転倒しないような構造に設計するのです。

原則2:滑動に関する検討

滑動に関する検討とは、ダムが水圧で滑り、動き出してしまわないようにするための検討です。ダムと周囲の岩盤の間にせん断力が生じると、ダム自体が動き出して(滑動して)しまい、その結果壊れてしまいます。このため、ダムが動き出さないようにその形状を決め、同時に岩盤と接触している面の強度も、岩盤も含めて十分かどうか確認します。

原則3:圧縮破壊に対する検討

圧縮破壊に対する検討とは、ダム自体が水圧で破壊されない構造とするための検討です。コンクリートダムの場合、コンクリートの強度が水圧に対して十分でないと、ダム自体が水圧で壊れてしまいます。特に、コンクリートダムの場合、コンクリート自体が引張(ひっぱり)に弱いこと、さらに、無筋コンクリートでできている(バットレスダムを除く)ことから、ダムの堤体に引張力が生じないように設計する必要があります。ダムが壊れないよう、十分な強度を確保できるよう設計するとともに、施工中もコンクリートの強度が厳密に保たれているかどうかをチェックします。この他、ダム本体をしっかり支えられる地盤であるのか、水がダムの周囲に浸透し、ダムごと破壊することはないか、などを確認します。

2. ダムの型式と地形

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. ダムに使う材料

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。