クラウドサービスの種類:クラウドの基礎知識3

クラウドの基礎知識

更新日:2019年10月10日(初回投稿)
著者:有限会社オングス 代表取締役 後藤 大地

前回は、クラウドの利点と欠点を説明しました。今回は、クラウドサービスの種類について解説します。クラウドのサービスには、大別すると「パブリッククラウド」、「プライベートクラウド」、その両者を兼ね備えた「ハイブリッドクラウド」があります。最近では、複数のクラウドを目的に合わせて使い分ける「マルチクラウド」も注目されてきています。クラウドサービスの種類をしっかり理解しましょう。

1. パブリッククラウド

クラウドは、誰が誰に対してサービスを提供しているかということで、パブリッククラウドとプライベートクラウドに分けられます。パブリッククラウドとプライベートクラウドはそれぞれ特徴が異なります。また、双方の特徴を備えたハイブリッドクラウドも存在しています。

図1:パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの模式図

図1:パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの模式図

パブリッククラウドとは、クラウドベンダが不特定多数のユーザーや企業に対して、インターネットを通じてクラウドサービスを提供するという方式を指します。クラウドと呼ばれるものは、通常はパブリッククラウドを指しています。SaaS、PaaS、IaaSなどさまざまなレベルのサービスがあります。ユーザーは利用するに当たり、新しくソフトウェアをインストールしたり、PCを購入する必要はなく、Webブラウザ経由で操作してサービスを利用開始できるという特徴があります。

パブリッククラウドで最大のシェアを占めているのは、Amazon Web Services(AWS)です(※2019年7月時点 Gartner調べ)。AWSはAmazonの子会社で、世界中のユーザーや企業、政府機関に対してクラウドコンピューティングサービスを提供しています。AWSから提供されているサービスは、2019年の段階で160を超えており、現在も成長を続けています。業界シェアは、AWSの後にMicrosoftとGoogleが続いているといわれています。AWSのシェアは、2位のMicrosoftと比較しても抜きん出て大きく、人気が高いです。

パブリッククラウドで提供されるサービスは多種多様です。さらに、時間経過に合わせて新しいサービスが登場する傾向が見られます。既存のサービスも、時間とともに他のサービスの影響を受けて提供される機能が増えたり、機能の統合が進む傾向があります。パブリッククラウドでどのようなサービスが提供されているのか、全体像を把握することは難しくなりつつあります。そういったことを把握していることが、一つの技術力であるといえます。

2. プライベートクラウド

プライベートクラウドとは、企業が自社内や、データセンター内に自らでクラウドプラットフォーム(クラスタ環境)を構築し、そこでサービスを開発して利用したり、他社にサービスを提供する方式を指します。実際にハードウェア(サーバ)を複数台購入し、自分たちでクラスタ環境を構築するというのが大きな特徴です。

どのようなソフトウェアを使ってクラスタ環境を構築するかはケースバイケースです。パブリッククラウドほどシェアは明らかになっていませんが、Red HatのOpenShiftやVMwareの仮想化プロダクト、またはこれらに類するソフトウェアを使ってプライベートクラウドが構築されることが多いようです。Kubernetes(Dockerコンテナをクラスタ化した際の運用ツール)という技術も重要になってきます。

プライベートクラウドを利用する場合、自前でクラウド環境を構築するための資本力と技術力が必要です。また、プラベートクラウドの開発をサードパーティに依頼する場合でも、それ相応の資金力が必要です。しかし、プライベートクラウドにはパブリッククラウドにはない魅力があります。

まず、プライベートクラウドにはパブリッククラウドにはない制御権があります。パブリッククラウドは提供されているサービスを利用するものです。サービスに何らかの問題が発生した場合、必ずしも原因追求をしてもらえるわけではありませんし、原因を教えてもらえるとも限りません。今後、似たような問題が発生しないように、アプリケーションやオペレーティングシステム側で対応しようとしても、できないといった面があります。プライベートクラウドであれば、ハードウェアも含めた制御権は、全てプライベートクラウドの持ち主にあります。徹底的に問題を調査して修正し、今後の障害回避に生かすことができます。ミッションクリティカルなシステムには特にこうした権限が必要です。

また、ハードウェアの性能を使い切るようなシステムでは、パブリッククラウドでは費用が膨大になるという問題があります。このようなシステムでは、プライベートクラウドを構築して運用した方が、運用コストが安くなります。このため、いったんパブリッククラウドで構築したサービスを、数年後にプライベートクラウドに移行させるということもあります。

パブリッククラウドとプライベートクラウドは、どちらが優れているというのではなく、どちらがユーザーの要望に応えてくれるかで選択します。

3. ハイブリッドクラウド

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4. マルチクラウド

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