空調設備と省エネルギー:空調設備の基礎知識7

空調設備の基礎知識

更新日:2022年1月6日(初回投稿)
著者:関東学院大学 建築・環境学部 建築・環境学科 教授 遠藤 智行

前回は、特殊な空調設備について紹介しました。今回は、空調設備と省エネルギーについて説明していきます。

1. 省エネルギーに関する基準

現在、一定規模以上の非住宅建築物を新築・増改築する際には、2015年7月に制定された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に適合する必要があります。この省エネ性能の評価には、一次エネルギー消費量基準BEI(Building Energy Index)と、外皮基準PAL(Perimeter Annual Load)が用いられます。

・一次エネルギー消費量基準BEI

BEIは、以下の式で表すことができます。1.0以下で省エネ基準を達成していることになり、数値が小さいほど省エネルギー性能が高いことを示します。

設計一次エネルギー消費量とは、評価対象の建築物に、設計仕様の設備を導入した際にかかる一次エネルギー消費量のことであり、空調設備もこれに含まれます。基準一次エネルギー消費量とは、同じ評価対象建築物に対して、省エネ基準に基づく標準仕様の外皮・設備を導入した際にかかる一次エネルギー消費量のことです。

・外皮基準PAL

外壁や窓周辺(ペリメータゾーン)の年間熱負荷係数のことであり、以下の式で表すことができます。

外壁や窓などの外皮計画による空調負荷の抑制を評価するもので、数値が小さいほど外皮性能が高いことを示します。

2. ペリメータレス空調

ぺリメータレス空調とは、ぺリメータゾーンにおける外部からの影響を解消する目的で作られた空調設備のことです。ぺリメータゾーンとは、外壁や窓から5m程度までの空間です(第2回)。ペリメータゾーンは、日射などにより熱負荷が大きくなるため、専用の空調機を設置することがあります。そのため、システムが複雑化し、配管などの通過経路も大きく確保する必要が出てきます。その点、ペリメータレス空調は、窓周辺を工夫するだけでその熱負荷を減らすことができます。ここでは、代表的な手法であるエアフローウインドウを紹介します。

エアフローウインドウとは、窓を二重化することで日射熱などの侵入熱を2枚の窓ガラスの間にいったん封じ込め、そこに室内から空調機に送る還気を流す空調方式です(図1)。窓ガラスの間に溜(た)められた熱は、還気と一緒に空調機に送られる(もしくは排気される)ため、室内への熱の侵入を軽減することができます。

図1:エアフローウインドウ

図1:エアフローウインドウ

3. 自動制御設備

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4. 自然エネルギーの活用

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