空調図面について:空調設備の基礎知識5

空調設備の基礎知識

更新日:2021年8月20日(初回投稿)
著者:関東学院大学 建築・環境学部 建築・環境学科 教授 遠藤 智行

前回は、個別空調方式を構成する主要な機器であるヒートポンプ式空調機や、換気設備などについて示しました。今回は、空調設備の図面の種類や、図面中の表示記号を紹介していきます。

1. 空調設備の図面

空調設備を設計施工する際には、多くの図面を作成します。連載第1回で解説したように、空調設備の基本設計を行う段階で作成される図面を基本設計図といいます。基本設計図は設備の概略を示すもので、ダクト・配管のおおよそのルートや、主要な設備機器を図面上に記載します。その後、実施設計の段階において、各種設備機器に必要な能力や、ダクト・配管のサイズなどを計算し、その詳細を図面に記載します。この段階で作成される図面を実施設計図といいます(表1)。実施設計図では多くの図面を作成します。その代表的なものを以下に紹介します。

表1:主な実施設計図
主な記載内容 実施設計図名称
ダクト・配管 空調設備系統図 空調設備平面図
ダクト 空調設備ダクト系統図 空調設備ダクト平面図
配管 空調設備配管系統図 空調設備配管平面図

・空調設備系統図

空調設備系統図は、空調設備機器とダクト・配管類が、建物内でどのように接続されているのかが分かるよう、全体の構成を1枚の図面に記載したものです。

空調設備ダクト系統図は、空気が流れるダクトと、空調設備機器の構成・接続状況を表した図面です。中央空調方式であれば、1台の空調機(AHU:熱源から供給される温水や冷水の熱交換器)からダクトを介して空気が循環する経路などが分かるようになっています。また、空調設備配管系統図は、水や蒸気・冷媒が流れる配管と、空調設備機器の構成・接続状況を表した図面です。個別空調方式でれば、1台の屋外機に対する複数台の室内機との接続状況などが分かるようになっています。

・空調設備平面図

空調設備平面図は、各階に設置されるダクト・配管・空調設備機器を平面図で表したものです。平面図は、天井から見下ろした形で記載しています。

空調設備ダクト平面図は、各階における設置位置・寸法を、ダクトと空調設備機器について記載した図面です。冷媒配管のみで接続されている個別空調方式の場合も、換気設備のダクトが記載されます。また、空調設備配管平面図は、配管と空調設備機器について記載した図面です。AHUと各室をダクトでつなぐ中央空調方式においても、AHUと冷凍機をつなぐ配管や、冷凍機と冷却塔をつなぐ配管などが記載されます。

上記の図面の他に、機械室内の設備機器やダクト・配管の設置位置・寸法を記載した機械室平面図、温湿度計測位置・各種の電気制御機器・電気配線を記載した自動計装図なども作成します。

2. 空調設備系統図の例

空調設備系統図において、ここでは個別空調方式の配管系統図の例を紹介します。図1は、屋上に設置されている1台の屋外機に、複数台の室内機が冷媒管で接続されている例です。遠くに設置されている室内機から冷媒管が集約されながら、屋外機へと接続されていることが分かります。

図1:個別空調方式の空調設備配管系統図の例

図1:個別空調方式の空調設備配管系統図の例

線の途中に記載されている文字が配管の種類を表し、Rは冷媒であることを示します。PSはパイプスペースです。配管の表示記号には、他にも表2のようなものがあります。

表2:配管表示の例
種別 表示記号
冷水送り管 ―――― C ――――
冷水還り管 ―――― CR ――――
温水送り管 ―――― H ――――
温水還り管 ―――― HR ――――
冷温水送り管 ―――― CH ――――
冷温水還り管 ―――― CHR ――――
冷媒管 ―――― R ――――
ドレン管 ―――― D ――――

3. 空調設備平面図の例

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