現場から利益を生み出す: 5S活動の基礎知識6

5S活動の基礎知識

更新日:2017年6月8日(初回投稿)
著者:株式会社経営改善支援センター 戸敷 進一

5S活動は、利益と密接な関係を持っています。「片付けたくらいで利益など出るはずがない」という手厳しいご意見を耳にすることもあります。しかし、全社一丸になって5S活動を推進し、清潔・しつけまで順守できている組織の多くは、しっかりと利益を上げています。今回は、現場から利益を生み出すために、なぜ5S活動が有効なのか、ご紹介します。

1. 利益を認識することが重要

5S活動が進むと、用具の置き場所や通路の確保、仕事の手順や情報共有の仕方、あいさつや電話対応といったマナーについてまで、仕組みを再構築します。その結果、5S活動が始まる前よりも、やるべきことと、やめるべきことの理解が進みます。例えば、「きちんと片付ける」「ちゃんと掃除する」という指示は具体的ではありません。5S活動により、どのように片付けるのかが明確になり、個人の感覚で行っていた業務活動に統一感が出てきます。

利益に対する考え方も同様です。会計用語としての「利益」は抽象的で分かりづらく、組織として共通の認識を持つことは難しいものです。しかし、5S活動と同様に、明確で統一された認識を全社員が持つことができれば、組織の利益体質は大きく変化します。

2. 絶対利益という新しい概念

組織では、さまざまな数字がコミュニケーションツールとして使われています。売上、利益、損益、前年対比、前月対比、粗利益などがあり、それぞれに意味のある数字です。しかし組織の全員が、これらを正確に理解できているわけではありません。例えば、決算書には売上総利益、経常利益、営業利益、税引前当期純利益、純利益という5つの利益が登場します。これらを、組織のさまざまな立場の人たちに理解させるのは至難の業です。そこで、利益という言葉を、原理原則に従って再構築してみましょう。

組織には、これだけ集められなければ倒産するという、最低限度の利益額があります。この利益のことを、絶対に集めなければならない利益として、「絶対利益」と定義します。絶対利益は、視点を変えれば、絶対に支払わなければならない経費です。組織には、仕事がなく、売上がゼロでも必要な4つの経費があります。

1:固定費:人件費や賃貸、リース、一般管理費、長期借入金返済費など
2:税金積立費:予定されている納税に対する積立費用
3:短期借入金返済費:金融機関からの借り入れに対する返済費用
4:運営費:採用や設備投資など、組織を1年間運営するための費用

これらの合計金額は、絶対に支払わなければならない経費です。1年の間にこれらの合計金額を集めることができれば、組織は倒産しません。つまり、絶対利益はこれらの合計金額と同じ値です。

 絶対利益 = 固定費 + 税金積立費 + 短期借入金返済費 + 運営費

図1:絶対利益

図1:絶対利益

絶対利益を用いて考えるメリットは、絶対利益の中に社員の給料やボーナスが含まれている点です。生活や人生と結びついた金額、数字であるため、どの立場の方であっても、絶対利益の重要性はすぐに認識してもらえます。社員全員でこの金額を集めようと決めると、スムーズに同意を得ることができます。表1および図2に、絶対利益の算出例を示します。絶対利益は過去数年間の決算書を参考に作成すると、妥当な目標として納得感を得やすいです。

表1:絶対利益算出表

表1:絶対利益算出表

図2:売上と絶対利益

図2:売上と絶対利益

3. 変動費の削減に集中する

必要な絶対利益を算出した後は、変動費の削減を目標に掲げます。変動費とは、仕事の発生に伴い必要となる金額のことで、仕事の規模に応じて大きく変動します。変動費の内訳は、材料費や燃料費、外注費や仕入れにかかる費用などで、外に支払う費用が多く含まれています。そのため、変動費の削減に集中することで、外に支払う費用を減らすことができ、利益を増やせます。

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4. 絶対利益と5S活動との親和性

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5. 利益は現場に眠っている

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