基礎知識

木造建築の可能性:木造建築の基礎知識6

最終回となる今回は、木造建築の可能性を解説します。可能性という点で欠かせないのは、いかに大規模な建築物を作れるかということです。小さな木造建築で問題になるのは、防火地域に建物を作るときだけです。しかし、木造建築の規模が大きくなると、材料強…

生産形態に合わせたFA:FAの基礎知識4

製品の生産形態に合わせた工場自動化について紹介します。1970年代頃から、マシニングセンタやターニングセンタといった、NC工作機械や産業用ロボットなどのプログラミング可能な自動化設備を統合したFMS(Flexible Manufacturing System)が登場し、多品種…

ヒューマンエラーが安全を脅かす:人間工学の基礎知識5

今回から2回にわたり、ヒューマンエラーの発生のメカニズムや、エラーの種類とその対策、さらに安全管理体制・組織づくりについて、人間工学の視点から解説します。今回は、安全やヒューマンエラーの定義について解説し、さらに、エラーがどのように事故をも…

行動を良い方向にナッジする(前編):行動経済学の基礎知識9

行動経済学が提案するナッジという政策方法を紹介します。ナッジとは、人々が選択するときの枠組み(選択フレーム)や環境を工夫することで、行動や選択を望ましい方向に誘導するという、新しい政策の考え方です。

インダストリー4.0(第4次産業革命):FAの基礎知識3

第4次産業革命と呼ばれるインダストリー4.0を取り上げます。ドイツでは2012年、インダストリー4.0(第4次産業革命)の実現という目標が提言されました。インダストリー4.0とは、製造業におけるオートメーション化やデータ化、コンピュータ化を目指す昨今の技…

ポンプのための流体力学の基礎:ポンプの基礎知識2

ポンプを知る上で必要とされる、流体力学の基礎知識について解説します。実際にどのようなポンプを利用するかは、使用者がどの程度の吐出し量(流量)と圧力(揚程:ポンプが汲み上げられる液体の高さ)を必要とするか、後述するキャビテーションが生じやす…

オンデマンド、シェアリング、自動運転の課題:MaaSの基礎知識5

今回は、日本における、MaaSのこれからの展開に関するキーワードとして、オンデマンド、シェアリング、自動運転を取り上げます。オンデマンド交通=MaaS、シェアリングサービス=MaaS、もしくは自動運転=MaaSと考えている人は少なくありません。MaaSは本来、よ…

マーチャンダイジングの新しい傾向と小売サービス:マーチャンダイジングの基礎知識6

マーチャンダイジングの新しい傾向と、小売サービスとしてのさまざまな集客プロモーションや、ARの利用について解説します。ECは成長し続けています。一方で、リアル店舗でも、店舗の魅力を向上させるため、リアル店舗ならではの、マーチャンダイジングにお…

製品・サービスの設計開発を支援する人間工学:人間工学の基礎知識4

人々が求めるモノ・コトを、人間工学的に実現するための検討プロセスについて解説します。人間工学は、人間を中心としたモノ・コトづくりを行う科学技術です。それを実践するためのプロセスを示したものが、ISO 9241-210人間中心設計プロセスです。

スマートシティで日本が強い売り物とは(前編)不動産:国際的スマートシティの基礎知識9

スマートシティの商品、サービスとして代表的な不動産ビジネスを取り上げます。アジアでの事例と、国内で数多く進められてきた土地やまちの開発のノウハウと経験が、いかに国際的スマートシティ産業に生かされ、日本がその中で強い位置を確保しているかを解…

リーダーシップを共有する:リーダーシップの基礎知識6

リーダーシップの共有について解説します。大量生産・大量消費の伝統的な経済モデルに代わり、シェアリング・エコノミーが浸透しようとしています。個人や組織が保有している有形・無形の資産(もの、場所、スキル、時間、資金など)を、クラウド上のマッチ…

ものづくりの歴史と工場自動化(後編):FAの基礎知識2

工場自動化の進化をもたらした工作機械のコンピュータ制御、および産業用ロボットなどを取り上げます。世界最初のPLC(Programmable Logic Controller)は、1969年に登場しました。シーケンス制御のためのリレー回路の代替として開発された制御装置PLCは、電…

ECの成長とマーチャンダイジング:マーチャンダイジングの基礎知識5

消費者向けの電子商取引、いわゆるEC(Electronic Commerce)の成長とマーチャンダイジングについて解説します。ECには、楽天、アマゾンといったECプラットフォームと呼ばれる、オンライン上のショッピング・モールや、家電量販店などの小売業者による直営の…

河川堤防のあたらしい技術:河川堤防の基礎知識6

最終回である今回は、強い堤防として新しく造られている超規格堤防(スーパー堤防)と粘り強い河川堤防について解説します。堤防が洪水防御の機能を果たすために要求されるのは、高さと幅が適正であること、そして、土構造である堤防が洪水の越水や浸透に対…

木造住宅の構造:木造建築の基礎知識5

木造住宅の構造について説明します。人が実際に住むためには、人や家具などの重さ、風、地震、地域によっては積雪などにも耐えられるよう、構造的に安全な建物(ハードウエア)にすることが必要です。このハードウエアとソフトウエアをバランス良く設計する…

生命を創る:人工生命の基礎知識6

最終回です。合成生物学や、人工生命と人工知能の接点について解説します。人工生命の最先端研究である合成生物学は、アメリカの化学者であるEric T. Koolらの呼びかけにより、2000年春の国際会議に始まったとされています。合成生物学の多様なアプリケーシ…

なぜ管理会計が必要なのか:管理会計の基礎知識1

管理会計とは、経営者が自社をマネジメントするために必要な会計を指します。本連載では、6回にわたり、利益、経営ビジョン、原価など、管理会計に必要な基礎用語の解説の他、キャッシュフロー計算表、貸借対照表の構造など、ビジネスパーソンとして知ってお…

実ビジネスの事業者とアプローチを考える:国際的スマートシティの基礎知識8

国際的なスマートシティでは、どのような企業が、どの段階でビジネスを行っているのでしょうか? 国内のスマートシティコンペの提案者は、自治体です。では、国際的スマートシティでは、どうでしょうか。海外で大活躍しているスマートシティ日本企業は、数多…

快適な労働を支援する人間工学:人間工学の基礎知識3

労働者が安全かつ効率的に、高品質な仕事を行うことは、どの産業分野でも重要な課題です。この課題の解決において、人間工学は重要な役割を果たします。今回は、労働の場を人間中心で設計するための主要な検討事項である作業手順設計、作業用の機器・道具と…

木造住宅に関わる建築法規:木造建築の基礎知識4

木造建築に関する建築基準法の一部として、住宅の計画・設計を進める際に必要な用途地域と単体規定・集団規定、採光・換気・シックハウスの制限、防火地域における木造の耐火構造について説明します。建築の許可を得るためには、建築基準法や建設業法、都市…

リーダーシップと脳の関係:リーダーシップの基礎知識5

楽観と悲観、現在思考と未来志向など、リーダーシップと脳の関係を取り上げます。リーダーは、まだ見ぬ未来に向けて、人々を導いていかなければなりません。その道は険しく、付いて来る人たちも不安や心配で心がいっぱいになっています。そんなときだからこ…

転がり軸受の損傷と状態監視:転がり軸受の基礎知識6

最終回です。転がり軸受の状態監視と、損傷の事例を紹介します。転がり軸受に生じる損傷には、当然、不可避なものもあります。しかし、機械の状態を監視することによって予防的な保全を行うことができます。

ものづくりの歴史と工場自動化(前編):FAの基礎知識1

本連載では、全6回にわたりFA(Factory Automation)の基礎知識について解説します。第1回では、現在のFAにつながる、ものづくりの歴史と工場の自動化を取り上げます。産業革命以降のものづくりの歴史においては、工業製品の品質と生産性の向上が常に求めら…

マーチャンダイジングと小売業の収益性:マーチャンダイジングの基礎知識4

マーチャンダイジングと小売業の収益性について解説します。マーチャンダイジングは、主に流通業で使われる用語であり、特に小売業では、仕入れ、品ぞろえ、陳列、さらには商品企画、販売促進を含む、重要な活動です。製造業者が工場で生産したり、生産農家…

MaaSの現在地と課題:MaaSの基礎知識4

MaaSの現在地と課題について解説します。2019年度から、国内でも、MaaSに関連するさまざまなプロジェクトや組織が立ち上がりました。筆者が代表理事を務めるJCoMaaS(Japan Consortium for MaaS)もその一つです。より規模が大きく、活動的なものとしては、M…

堤防と水防活動:河川堤防の基礎知識5

堤防と水防活動について解説します。行政が実施する事業が治水であるのに対して、住民が自ら行う水害対策を水防といいます。治水と水防は、水害をなくすという共通の目的を持ちます。前者は行政が主体であり、後者は住民自らが主体です。

グリーンインフラによる都市再生:グリーンインフラの基礎知識4

グリーンインフラを導入することによる、都市内の低未利用地の活用による都市再生について解説します。低未利用地の拡大は、地域の社会経済活動の基盤や機会を損失させるだけでなく、担い手不足によって管理が行き届かなくなり、景観や災害リスクの増加など…

次の世紀に求められる病院建築とは:病院建築の基礎知識7

最終回となる今回は、Covid-19の蔓延への対応を含めて、今後の病院建築の進路について考えます。Covid-19感染症対策に関して、建築の面から見た問題としては、まず個室病室の不足がありました。福祉介護の分野では、特別養護老人ホームを見ても分かるように…

インフラを巡る社会学的政策論~社会有機体説とまちづくり・くにづくり論~:土木計画学の基礎知識6

社会は、自らの状況がより良くなることを目指して、インフラを整備し、運用していく主体です。では、社会とは一体何なのでしょう。そして、社会にはどのような特徴があるのでしょうか。最終回となる今回は、この社会というものについての社会学的な議論を紹…

複雑系のシミュレーション:人工生命の基礎知識5

今回は、複雑系のシミュレーションを取り上げます。人工生命の一手法として、セルラ・オートマトンを用いたシミュレーションは、さまざまな分野で応用されています。例えば、ライフサイエンス(遺伝、免疫、生態形成)、渋滞予測(シリコン交通)、災害(原…

ポンプとは:ポンプの基礎知識1

ポンプとは、機械的エネルギーを流体エネルギーに変換する流体機械の一つで、容積形ポンプ、ターボポンプ、その他の特殊ポンプに分類されます。本連載では、水や油に代表される液体を流体の対象として、液体を取り扱うポンプについて解説します。

全ての類の危険物:危険物管理の基礎知識(安全な取り扱いのために)6

第4類以外の全ての類の危険物、すなわち、第1類:酸化性固体、第2類:可燃性固体、第3類:自然発火性物質、および禁水性物質、第5類:自己反応性物質、第6類:酸化性液体について、それらの概要と性質、さらに火災予防法について説明します。

マーチャンダイジングとサプライチェーン・マネジメント:マーチャンダイジングの基礎知識3

マーチャンダイジングとサプライチェーン・マネジメントについて解説します。消費者や顧客企業が需要する商品を、適材適所において供給しようとする仕組みを、サプライチェーン・マネジメントと呼びます。この仕組みは情報通信技術(ICT)の進展につれ、商品…

いかなるリーダーもフォロワーであり、フォロワーはいつかリーダーになる:リーダーシップの基礎知識4

リーダーシップとフォロワーシップについて解説します。リーダーとメンバーというフラットな上下関係に変わってきているのが、現代の組織です。その中で、配下や部下に当たるフォロワーとの関係から、あらためてリーダーシップを考えていく必要があるでしょ…

人間特性を考慮したモノ・コトづくり:人間工学の基礎知識2

人間工学が対象とするモノ・コトとは何か、さらに人間とモノ・コトづくりとの関わり、人間の基本的特性について解説します。人間工学は、人間を取り囲むさまざまなモノ・コトを、人間の特性と調和させる学問です。では、世の中ではどのようなモノ・コトが人…

照明器具:照明の基礎知識3

照明器具を取り上げて、その種類や効果、機能などを紹介します。照明器具の基本的かつ重要な役割として、配光制御があり、光を得たい面に効率的に光を集中させます。今日では、グレア(まぶしさや見えにくさを生じさせる現象)の防止や空調器機などの設備と…

転がり軸受の取り付け方法:転がり軸受の基礎知識5

転がり軸受の取り付け方法を解説します。転がり軸受は高精度加工されています。その性能を十分に発揮するには、取り付けに関しても配慮が必要です。

スマートシティ戦争、コングロマリット各国モデルで激戦:国際的スマートシティの基礎知識7

世界の国や地域における、それぞれのコングロマリットモデルの強みを紹介します。日本がスマートシティビジネスの促進をやめ、活動を休止した10年間、海外ではこの巨大産業は失速を知らず、順調に成長を続けていました。ヨーロッパ、中国、アメリカを中心に…

トランジスタを用いた増幅回路:アナログ電子回路の基礎知識6

トランジスタを用いた増幅回路の構成と、その解析方法を解説します。解析の方法は、設計の方法と同じです。増幅回路に限らず、多くのアナログ電子回路はバイアス電圧と信号電圧を別々に解析(または設計)します。この解析方法は、電子回路特有のものです。…

堤防の決壊はどのようにして起こるのか?:河川堤防の基礎知識4

堤防の決壊について解説します。堤防の決壊は、破堤ともいいます。それによる被害は甚大であり、堤防近辺の民家を押し流し、農地に大きなダメージを与えます。

群知能と魚・鳥の群れ:人工生命の基礎知識4

群知能と魚・鳥の群れについて解説します。鳥や魚の群れ行動をコンピュータ上に表現する試みは、人工生命応用としてよく知られています。特に、ジョージ・ルーカスらによるILM(Industrial Light & Magic)社の手法は、CGで作成した恐竜の群れの動向などに生…

サステナブルな航空燃料SAF:カーボンニュートラルの基礎知識(航空分野編)5

SAFと呼ばれる次世代ジェット燃料の技術を紹介します。食用にはならない植物や、藻類、廃材などからジェット燃料を生成する技術が脚光を浴びています。航空の世界では、これを SAF(Sustainable Aviation Fuels:持続可能航空燃料)と呼びます。

隠れたデザイナーとしての都市計画:都市計画学の基礎知識5

都市計画の実現手段、その中でも規制について見ていきましょう。都市計画の実現手段には、規制、誘導、事業があります。都市計画において、道路や公園などの都市施設が事業によって整備される一方、都市を構成する個々の土地利用は、主に規制によってコント…

インフラを巡る政治学的政策論~PI(パブリックインボルブメント)と合意の形成~:土木計画学の基礎知識5

土木計画の政治の側面を取り上げます。巨大なインフラを作る土木計画は、調達する財源やプロジェクトの規模や、そのインフラのインパクトから、極めて広域的、長期的、総合的なものであり、必然的に政治のプロセスと密接でかつ不可分に関わってきます。

ビジュアル・マーチャンダイジング:マーチャンダイジングの基礎知識2

視覚的なマーチャンダイジング、いわゆるビジュアル・マーチャンダイジングについて解説します。マーチャンダイジングのうち、特に顧客の視覚的に訴えるかける方策を、ビジュアル・マーチャンダイジングといいます。

リーダーシップの理論を旅する:リーダーシップの基礎知識3

リーダーシップ理論を紹介します。世界にさまざまな国があるように、その国と文化に合った指導者像や君主論があるものです。それを探るには、その国に現れたリーダーや歴史上の人物に光を当て、その人物の特長や言動から学ぶのが一番だと考えられてきました。

20世紀型病院建築までに至る変遷:病院建築の基礎知識6

Covid-19蔓延(まんえん)への対応を含めて、今後の病院建築の進路について考えます。まず、20世紀後半までの病院の歴史を振り返りましょう。

木造住宅の設計(後編):木造建築の基礎知識3

前回に引き続き、木造住宅の設計として、建物の配置計画、機能図、ゾーニングについて解説します。

転がり軸受の潤滑:転がり軸受の基礎知識4

今回は、転がり軸受の潤滑について解説します。潤滑の一般的な目的は、摩擦を小さくすることです。ただし、転がり軸受においては、長期間安定した性能を維持することが潤滑の目的に挙げられます。

マルチオミックス:バイオインフォマティクスの基礎知識6

今回は、連載の最終回として未来志向の話をします。それは同時に、バイオインフォマティクスの最先端についての話でもあります。